Baroque Decayは、アドベンチャーゲーム『Yuppie Psycho』を4月25日に発売することを発表した。配信先はSteamとUtomikで、プレイステーション4、Xbox One、Nintendo Switchへの移植も今後予定されている。
『Yuppie Psycho』のSteamストアページを確認すると日本語は未対応となっているが、Steamフォーラムではゲームの全文テキストがデベロッパーの手で公開されており、有志によるローカライズを募集していることがわかる。
『Yuppie Psycho』の舞台は90年代風のディストピア。海外産のゲームではあるが、ディストピアの世界観は日本を強く意識したものとなっている。
主人公はようやく仕事に就くことができた青年Brian Pasternack。「底辺」を自覚している彼にとって、ホワイトカラーのオフィスワークは願ってもない仕事だった。彼が入社したSintracorpでの業務はキーボードを叩き、コーヒーを飲む。そんなごく普通のものだと説明されていた。
しかし、それは表の業務。ブライアンに課せられた本当の業務は、会社を成功に導いた「魔女」を探すことだ。ブライアンは会社で働くさまざまな人々を調査し、潜んでいる魔女を見つけ出して処分する。ストーリーはプレイヤーの選択次第でさまざまな結末へとたどり着く。5年間でどのように業務をこなし、同僚と付き合い、恐怖と戦うかが重要だ。
ゲームでは通常世界での調査だけではなく、狂った世界で凶悪な魔女と対峙する場合もある。「ファーストジョブサバイバルホラー」と銘打たれている通り、非力な主人公は正面から魔女と戦うことは出来ない。走って逃げたり、物陰に隠れながら魔女を倒すための謎を解かなければならない。
『Yuppie Psycho』はデヴィット・リンチ氏や塚本晋也氏が監督を務めた映画や、駕籠真太郎氏や伊藤潤二氏といった漫画家の作品から強い影響を受けている。ゲームデザインは『サイレントヒル』、『レッドシーズプロファイル』、『夜廻』といった作品に影響を受け、サバイバルホラー、グラフィックアドベンチャー、パズルゲームのようなジャンルを結合しているという。
音楽は『VA-11 Hall-A』の音楽を手がけたMichael Kelly氏が担当。bandcampではオリジナルサウンドトラックの販売も始まっている。
本作を開発するBaroque Decayは『Survival Horror Story: Catequesis』や『The Count Lucanor』の開発で知られている。16ビット風のドットグラフィックとアニメ絵で構成されたホラーゲームを作り続けているデベロッパーだ。
日本とよく似たディストピアで、恐怖と戦う新社会人の姿を描く『Yuppie Psycho』で、不安でいっぱいの新生活に飛び込んでみてほしい。
ライター/古嶋誉幸