任天堂は、インディーゲームを紹介する映像「Indie World 2019.5.31」の中で、墓地経営シミュレーションゲーム『Graveyard Keeper』をNintendo Switchで日本国内にて発売することを発表した。価格は未定、発売日は2019年夏。CEROの区分はD(17才以上対象)となる。
tinyBuild Gameseが開発した『Graveyard Keeper』は、しばしば不道徳な『Stardew Valley』とも称される墓地経営シミュレーションゲーム。ある日、交通事故にあった主人公は、気付けば中世の墓地で墓守の仕事をすることに。謎の男いわく良き墓守になれば、元の世界に帰ることができるらしい。異常な状況に、主人公は「これは夢だ…」と混乱しつつも、しゃべる頭蓋骨・ジェリーと共に墓地の経営に励んでいく。
木を切ったり、魚を釣ったり、畑を耕したり、それを得たアイテムを売買してお金を稼ぐことができる。テクノロジーツリーがあるので、色分けされた経験値を使って技術をアンロックし、スキルを成長させてクラフトを楽しめる様は、まるで牧場経営シミュレーションゲームだ。
だが、本作は墓地経営ゲームである。もっとも基本的な仕事は死体を墓に埋めることになる。町から定期的に死体が運ばれてくるので、安置所で処理して、墓に埋めて供養しよう。墓自体が荒れ果てているので、立派な墓標を立てるなり修復するなりして、墓地を整備していくのも大事な仕事だ。
それだけだと墓守が主役なだけの一風変わった健全なゲームのように思えるが、本作は不道徳な行為に手を染めることができる。たとえば死体の肉を取り出し、食品に加工して売りに出すこともできる。死体は鮮度が命なので、腐敗してしまう前に解剖テーブルに載せてフレッシュな肉を抽出しよう。死体は川に投げ込んだり、焼いてしまうこともできる。さらに聖職者となって住民を教化してお布施をもらったりすることができるが、その不気味な様はまるで邪教のようである。
どのように墓地を経営していくかはプレイヤーの手にゆだねられている。基本的には作業ゲームといえるので、手元でプレイできるNintendo Switchとの相性はばっちりだろう。本作は発売当初、バグやテンポの悪さが散見されたが、それも徐々に完全されていって、現在のバージョンでは完成度を高めている。発売の2019年夏には汗水たらして墓守の仕事に励むのも、これまでとは違う夏休みが送れるのかもしれない。
ライター/福山幸司