『ドラゴンクエスト』シリーズの開発に参加した藤澤仁氏による小説『夏の呼吸』が発売。瑞々しい短編「夏の呼吸」と、珠玉の中編「雨傘」の2作品が収録

 『ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち』以降のシナリオ制作を手掛け、『ドラゴンクエストIX 星空の守り人』、『ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン』ではディレクターを務めた藤澤仁氏による小説『夏の呼吸』が本日6月21日に発売された。

 藤澤仁氏は、1970年生まれ。神奈川県平塚市出身のゲームクリエイター、シナリオライターだ。スクウェア・エニックス在籍時、堀井雄二氏のアシスタントとして『ドラゴンクエスト』に携わり、シリーズを支え続けた。

(画像はAmazon.co.jp | 夏の呼吸より)

 本書は、短編「夏の呼吸」と中編「雨傘」の2作品収録されている。「夏の呼吸」は藤澤仁氏が20歳の頃の作品で、出身地である神奈川県の海沿いを舞台に、少年の心の成長を夏の鮮やかな情景とともに紡ぐ。1992年の「中央公論新人賞」の最終候補に選ばれた作品だという。

 一方で「雨傘」は、90年代前半のIT業界が舞台。主人公のもとに、使用者を認識して発病する奇妙なコンピュータウィルスの駆除依頼が舞い込む。藤澤仁氏が25歳くらいの頃に書いたもので、1997年の「すばる文学賞」の三次選考通過した。

 イラストを手掛けるのは、『予言者育成学園 Fortune Tellers Academy』の典樹氏。藤澤仁氏と典樹氏は、藤澤仁氏がディレクターとプロデューサーを兼任しながらシナリオ制作も手掛けた『予言者育成学園』のときに出会ったそうだ。

 

 

 青春の揺れ動く心情や、家族に対する想いを綴った本作。『ドラゴンクエスト』シリーズとは違う藤澤仁氏の表情や、逆に共通する部分が見出せるかもしれない。帯にあるように「物書きに到る原点」とのことなので、本書を手にとって若き藤澤仁氏の瑞々しい感性に触れてみてはいかがだろうか。

ライター/福山幸司

ライター
福山幸司
85年生まれ。大阪芸術大学映像学科で映画史を学ぶ。幼少期に『ドラゴンクエストV』に衝撃を受けて、ストーリーメディアとしてのゲームに興味を持つ。その後アドベンチャーゲームに熱中し、『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』がオールタイムベスト。最近ではアドベンチャーゲームの歴史を掘り下げること、映画論とビデオゲームを繋ぐことが使命なのでは、と思い始めてる今日この頃。
Twitter:@fukuyaman
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