『ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち』以降のシナリオ制作を手掛け、『ドラゴンクエストIX 星空の守り人』、『ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン』ではディレクターを務めた藤澤仁氏による小説『夏の呼吸』が本日6月21日に発売された。
藤澤仁氏は、1970年生まれ。神奈川県平塚市出身のゲームクリエイター、シナリオライターだ。スクウェア・エニックス在籍時、堀井雄二氏のアシスタントとして『ドラゴンクエスト』に携わり、シリーズを支え続けた。
#夏の呼吸
— 藤澤 仁 / storynote (@JIn_Fujisawa) June 18, 2019
ただ、強くなりたかった。
どんな波にも流されない、僕自身の強さが──
表題作『夏の呼吸』は、1980年代、夏の湘南を舞台にした物語。
作中に「ドラゴンクエスト」という言葉が出てくるのは、ただの偶然。自分がスタッフになるのは、この7年も後のことです。https://t.co/oxXspp7vmo pic.twitter.com/qPxDr2OMKX
本書は、短編「夏の呼吸」と中編「雨傘」の2作品収録されている。「夏の呼吸」は藤澤仁氏が20歳の頃の作品で、出身地である神奈川県の海沿いを舞台に、少年の心の成長を夏の鮮やかな情景とともに紡ぐ。1992年の「中央公論新人賞」の最終候補に選ばれた作品だという。
一方で「雨傘」は、90年代前半のIT業界が舞台。主人公のもとに、使用者を認識して発病する奇妙なコンピュータウィルスの駆除依頼が舞い込む。藤澤仁氏が25歳くらいの頃に書いたもので、1997年の「すばる文学賞」の三次選考通過した。
イラストを手掛けるのは、『予言者育成学園 Fortune Tellers Academy』の典樹氏。藤澤仁氏と典樹氏は、藤澤仁氏がディレクターとプロデューサーを兼任しながらシナリオ制作も手掛けた『予言者育成学園』のときに出会ったそうだ。
#夏の呼吸
— 藤澤 仁 / storynote (@JIn_Fujisawa) June 17, 2019
「このコンピューターウィルスは、人間に感染するんです」
あまりに予想外の回答に、僕は言葉を失った──
収録作『雨傘』は、1990年代前半の、コンピューターウィルスとの攻防を舞台とした物語。
Windows95発売よりも前。携帯もまだ平野ノラみたいな時代です。https://t.co/7D4j5tO7O6 pic.twitter.com/kiMKsUvvTE
藤澤仁さん原作の小説『夏の呼吸』が6/20に刊行されます。
— 典樹 -tenju- (@draw4401) May 22, 2019
表紙イラストは典樹が描かせて頂きました。
藤澤さんとは予言者育成でお世話になり、この度またご一緒出来ることになって光栄です。
興味ありましたら是非、ご予約お願いします。https://t.co/s2mP8Ixpi7 pic.twitter.com/jy6aGXnnML
#夏の呼吸
— 藤澤 仁 / storynote (@JIn_Fujisawa) June 18, 2019
ただ、強くなりたかった。
どんな波にも流されない、僕自身の強さが──
表題作『夏の呼吸』は、1980年代、夏の湘南を舞台にした物語。
作中に「ドラゴンクエスト」という言葉が出てくるのは、ただの偶然。自分がスタッフになるのは、この7年も後のことです。https://t.co/oxXspp7vmo pic.twitter.com/qPxDr2OMKX
青春の揺れ動く心情や、家族に対する想いを綴った本作。『ドラゴンクエスト』シリーズとは違う藤澤仁氏の表情や、逆に共通する部分が見出せるかもしれない。帯にあるように「物書きに到る原点」とのことなので、本書を手にとって若き藤澤仁氏の瑞々しい感性に触れてみてはいかがだろうか。
ライター/福山幸司