NECパーソナルコンピュータは、8月5日にNEC初の本格的パーソナルコンピュータである「PC-8001」の誕生40周年を記念した発表会を開催すると発表した。
発表会では、新商品として「8001へのオマージュを込めた特別モデル」が発表され、また「8001で稼働するBASICプログラムが実際に動作するハードウェア」と、「そこにレトロゲームを添付した記念品」がお披露目されるとのこと。
NECパーソナルコンピュータ株式会社は、2019年8月5日(月)に、NEC初の本格的パーソナルコンピュータであるPC-8001の誕生40年を記念した新商品の発表会を開催いたします。
当発表会では、世界にまだ個人がコンピュータを所有するという概念すらなかった時代にどのようにしてPC-8001が誕生したかを振り返り、8001へのオマージュを込めた特別モデルを発表します。さらに、日本のITカルチャーの原点とも言える8001で稼働するBASICプログラムが実際に動作するハードウェアと、そこにレトロゲームを添付した記念品もお披露目します。
NECパーソナルコンピュータ
PC-8001は、1979年に日本電気が発売したパーソナルコンピュータ。PC-8001に始まり、以後PC-8001mkII、PC-8001mkIISRの後継機、さらに上位機種としてPC-8800シリーズが発売されている。
当時、日本電気は1976年に発売した国内初のPCであるTK-80に手ごたえを感じ、開発に着手した。TK-80含め、当時のPCはユーザーが自身で組み立てるPCキットが多かったが、PC-8001は日本電気初の完成品PCとして発売。定価は168000円で、キーボードと一体型の高級感あるデザインが特徴だ。当時、PCは「マイコン」と呼ばれていたが、頭に「PC」と名づけることによって「パーソナルコンピュータ」という用語を日本で普及させることに一役買った。
発表会にはNECパーソナルコンピュータ代表のデビット・ベネット氏、元日本電気の渡辺和也氏と後藤富雄氏、さらに特別ゲストとして西和彦氏が登壇する。
デビット・ベネット氏は、1979年生まれのカナダ出身。早稲田大学で日本語を学び、AMDのコーポレートバイスプレジデント兼OEMアカウント担当ゼネラルマネージャーを務めていたこともある人物。現在は、レノボ・ジャパンの代表取締役社長およびNECパーソナルコンピュータの代表取締役執行役員社長を兼務している。
渡辺和也氏は、日本電気の社内ベンチャーのチームリーダーとして日本電気のパソコン事業を立ち上げた人物だ。そのチームに加わったのがエンジニアの後藤富雄氏である。半導体やコンピューターの知識を基に、TK-80やPC-8001の開発に携わることになる。NECパソコンの父と呼べる人たちだ。
西和彦氏は、雑誌『月刊ASCII』を創刊した編集者、実業家。株式会社アスキー出版(後のアスキー)を創業メンバーで、マイクロソフトと提携し極東担当の副社長に就任。その後、アスキー社長を経て現在は明浄学院の理事長などを務めている。PC、IT業界で長らく最前線にいた人物だ。
こんな豪華なメンバーが一堂に介する発表会では、世界にまだ個人がコンピュータを所有するという概念すらなかった時代にどのようにしてPC-8001が誕生したかを振り返り、歴代NECマシンを展示するという。
PC-8001そのものが復刻されるのか、あるいはPC-8001を模した新商品が発表されるのか。日本のITカルチャーの牽引した名機がどのような姿で戻ってくるのか、8月5日の発表に注目したい。
ライター/福山幸司