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カプコン小野氏、海外メディアの取材受け『deep down』について触れる。2013年に新エンジンとともに発表されたPS4向けタイトル

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 海外メディアEurogamerが11月6日に公開した『ストリートファイターV』のインタビュー記事において、カプコンの小野義徳氏がインタビュアーの質問に返答する形で『deep down』について触れている。小野氏は『deep down』でエグゼクティブプロデューサーを務めている。

 『deep down』に関するEurogamerと小野義徳氏のやり取りは以下の通りだ。

Eurogamer
 あなたがMr.deep down(=『deep down』の代表的な人)となると思っていた時期がありました。何があったのでしょうか。

 

小野義徳氏
 まだ私はMr.deep downと呼ばれたことはありません。確かにオリジナルチームは現時点で一緒にいませんが、とはいえ我々が商標登録を維持していることに気付いた人もいるだろうし、完全に放棄しているわけではありません。毎年、私たちは将来のタイトルを検討し、承認して前進するためのプロジェクトを立ち上げています。この件について私に言えることはあまりありませんが、もし商標を保持していることに気づいているのであれば、それはタイトルを完全に放棄していないことを意味します。

 

Eurogamer
 数年前にTGSでプレイしましたが、とても有望に思えました。

 

小野義徳氏
 そこから少し先にコンセプトは発展しましたが…。

 

Eurogamer – What does the future hold for Street Fighter 5?より

 『deep down』は、2013年2月にPS4向けに発表されたオンラインアクションRPG。基本無料のアイテム課金制のゲームで、残留思念を読み取る能力を持つravensの一員として多種多様なダンジョンに挑む。オンラインによる協力プレイが可能で、ダンジョンでアイテムを集めながら武器や防具を強化しつつ、謎を解き明かしていく。また2049年のニューヨークが舞台の一部となり、過去と未来を行き来する記憶をめぐったストーリーになるという。

 本作はPS4という新しいプラットフォームに向けに、カプコンの新エンジンPanta Rheiを用いて次世代のグラフィックスを提供するとしていた。

 以上の『deep down』の情報は2013年~2014年の情報であり、状況は大きく様変わりしている。まず2013年2月にタイトルが発表されたことからわかる通り、当初としてはPS4の初期タイトルとして目されていた。具体的な最後の更新は、2014年12月だ。公式サイトでにスクリーンショットが追加され、またTwitterでは「開発チェックを行いました」とツイートしているが、その後はアップデートされることはなかった。Twitterでは、2015年3月に『deep down』が扱われた書籍の告知ツイートをRTして、更新が途絶えている。

カプコン小野氏、海外メディアの取材受け『deep down』について触れる。2013年に新エンジンとともに発表されたPS4向けタイトル_001
(画像は「deep down | ソフトウェアカタログ | プレイステーション® オフィシャルサイト」より)
カプコン小野氏、海外メディアの取材受け『deep down』について触れる。2013年に新エンジンとともに発表されたPS4向けタイトル_002
(画像は「deep down | ソフトウェアカタログ | プレイステーション® オフィシャルサイト」より)
カプコン小野氏、海外メディアの取材受け『deep down』について触れる。2013年に新エンジンとともに発表されたPS4向けタイトル_003
(画像は「deep down | ソフトウェアカタログ | プレイステーション® オフィシャルサイト」より)

 今回の小野氏のコメントから、商標登録を維持はしており、開発を完全にあきらめてはいないものの、『deep down』のチームは集結しておらず、開発に専念していないことが伺える。

 もし『deep down』の本格的な開発が再開することになっても、時間が経ってしまっているのでプラットフォーム、販売形態、ゲーム内容のコンセプトなどの多くの変更がありそうだ。改めて開発中止と決断される可能性も依然として高そうだが、『deep down』のトレイラーが公開されたとき、多くのユーザーが期待して注目度は高かっただけに、完全に消えてしまうのは少々寂しいものかもしれない。

ライター/福山幸司

ライター
カプコン小野氏、海外メディアの取材受け『deep down』について触れる。2013年に新エンジンとともに発表されたPS4向けタイトル_004
福山幸司
85年生まれ。大阪芸術大学映像学科で映画史を学ぶ。幼少期に『ドラゴンクエストV』に衝撃を受けて、ストーリーメディアとしてのゲームに興味を持つ。その後アドベンチャーゲームに熱中し、『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』がオールタイムベスト。最近ではアドベンチャーゲームの歴史を掘り下げること、映画論とビデオゲームを繋ぐことが使命なのでは、と思い始めてる今日この頃。
Twitter:@fukuyaman

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