Valveが同社のビデオゲームのダウンロード販売プラットフォームSteamにて、ダウンロードコンテンツを含めて1000本前後ものビデオゲームをストア上から削除していることが話題になっている。APIを利用した外部のWebツール「Steam Tool」にて、最近Steamから削除された作品が確認できる。記事執筆時点でValveから声明は出ていない。

削除されたのは低価格帯のインディーゲームで、AAAタイトルは含まれていないようだ。Siberian DigitalやZotdinex、Dagestan Technology、VT Publisingなど、パブリッシャーの作品がすべて削除されている例もある。
量が多いだけにすべては確認できないが、削除された作品はアセットを多用したいわゆるアセットフリップの作品、他者の著作物を勝手に利用した作品、あるいは質の低いショベルウェアだと思われる。しかし中には『Electric Highways』のように1300件ものレビューから非常に好評を得ていた作品もある。
Steam Directによりゲームリリースのプロセスが簡略化され、さまざまなゲームがリリースされるようになったことで、Steamはかねてよりポルノゲームの二転三転するリジェクトのポリシーや、粗製濫造ゲームの取り締まりなどで批判を集めていた。Valve自身もこれらの対応に苦慮していることを認める記事をリリースしている。この記事では暴力やポルノを含む多くのゲームを容認していく一方、違法な作品や荒らし行為など最低限のコンテンツのコントロールを行うとしている。
今回の大量削除も削除アルゴリズムが完全に正しいかどうかは難しいところだ。Siberian Digitalの公式サイトでは、まだゲームがSteamで販売されていることになっているため、事前の通知はなかったことがうかがい知れる。ポリシーに違反した作品が消えるのは当然だが、削除された1000本の作品の中に真面目に作られたゲームが含まれている可能性は否定できない。そういったゲームデベロッパーのため、削除に抗議する窓口が開いていることを望みたい。
ライター/古嶋誉幸