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「ドット絵だけでサスペンスドラマを描く」制作プロジェクトが始動へ。ストーリーの変化やパラレルエンディングあり、テレ東とゲーム開発チームが協力

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 「テレ東 × 偽りの黒真珠企画制作チーム」は、ドット絵のみで表現するサスペンスドラマの映像制作プロジェクトを正式発表した。DVD版を制作するためのクラウドファンディングが実施される予定で、すでにCampfireにてキャンペーンページが公開されている。

 同プロジェクトでは、“「旅情ミステリードラマを全部ドット絵のゲーム風で映像化!」という体で作成されたミステリードラマ”が制作予定。制作にはテレビ東京コミュニケーションズに加え、2019年にファミリーコンピュータ風アドベンチャーゲームとして発売された『伊勢志摩ミステリー案内 偽りの黒真珠』の開発チームが参加する。メインキャストは『偽りの黒真珠』から珠海とカナが登場し、新たな事件に巻き込まれていく。

 ドット絵だけで長尺のドラマ映像を描くというのも驚きだが、Campfireのページによれば、さらにゲームのドラマ化ということで「届いたDVDによってランダムにストーリーの流れが変わる」という方式と、パラレルエンディングシステムを採用しているという。また、ストーリー展開によってレースゲーム風になったり、格闘ゲーム風になったりと、ゲームの趣向自体も変わっていく。テレビ東京で流れているドラマという雰囲気を再現するため、ドット絵のCMや提供などが入り地上波っぽさを出すという演出もあるようだ。

 監督を務めるのは、『ポプテピピック』の中に登場するゲームパートを担当した山下諒氏。今回が初監督作品となるようだ。「まずはDVD化を達成して、いずれは地上派をジャックすることができたら」と意気込みを語った。さらに脚本はゲーム番組『ゲームセンターCX』『勇者ああああ』などを手掛けたゲーム大好き放送作家の岐部昌幸氏。

 主題歌には、『忍者ハットリくん』『スターソルジャー』で楽曲を手掛けたことがある国本剛章氏。「昭和のいい部分を残せるような主題歌を作りたい」と抱負を語った。また声優では『東京クロノス』で東国ユニアを演じた柚木尚子さんが出演する。柚木さんが出演した『東京クロノス』はクラウドファンディングが大成功した作品として知られている。

 なお、今回のプロジェクトが発表されたイベントでは、原作者のハッピーミールの関純治氏より、以下の要望が出された。

1.ミステリー案内の魂を継承してほしい!
旅情感あふれるサスペンス感という、世界観、偽りの黒真珠の登場キャラクター性はそのまま生かしていただきたい。

2.2時間サスペンスドラマにしてほしい!
映像作品で、どうせやるなら尺は「二時間枠」の形で!しかも、あくまでテレビ放送している形で途中にCMが入ったり、提供XXXなどの演出をドット絵で入れてほしい。

3.テレ東さん「らしさ」を入れてほしい!
劇中で、フェイクの緊急ニュース(一大事)や、地震速報情報等のテロップが入るも、テレ東らしく放送は続くという演出などを入れてほしい。

 なお、以上はあくまで関氏からの要望であり、実現するかは不透明だ。だが、テレビ東京側は「なるべく原作者様に沿いたい」と応答していた。なお、『偽りの黒真珠』のケンではなく、珠海とカナの話であることが会場から突っ込みがあったが、何らかの含みを持たせた。

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 ドット絵のみで表現するサスペンスドラマを表現するという、前代未聞の本企画。ハッピーミール、テレビ東京を初め、関係者の意気込みは熱い。クラウドファンディングがどのような成果となるか、これから要注目のプロジェクトといえるだろう。

ライター/福山幸司

ライター
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福山幸司
85年生まれ。大阪芸術大学映像学科で映画史を学ぶ。幼少期に『ドラゴンクエストV』に衝撃を受けて、ストーリーメディアとしてのゲームに興味を持つ。その後アドベンチャーゲームに熱中し、『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』がオールタイムベスト。最近ではアドベンチャーゲームの歴史を掘り下げること、映画論とビデオゲームを繋ぐことが使命なのでは、と思い始めてる今日この頃。
Twitter:@fukuyaman

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