オンラインマルチプレイRPG『Fallout 76』には、自分の拠点を自由に製作するシステム「C.A.M.P」が搭載されている。ほかのプレイヤーを招くこともできるので、多くのプレイヤーが思い思いの拠点を製作し、その一部はSNSなどでも共有される。
中には外敵の侵入を防止するために凶悪なトラップを設置し、迷い込んだ犠牲者を始末するキャンプもある。その一方で、プレイヤーを殺すのではなく、楽しませる目的でトラップハウスを作るプレイヤーもいる。
Redditユーザーの「Vault101manguy」氏もそんなトラップハウス製作に情熱を燃やすひとりだ。これまでに1/2の確率で死か景品が手に入るキャンプやデスクローが徘徊する迷宮を製作してきたが、そんな氏の最新作が計算を解かなければ死ぬ「Math Camp」(数学キャンプ)だ。
数学キャンプは学校をイメージした外観のキャンプで、入室すると「月曜までの数学の宿題」と書かれた掲示板がプレイヤーを迎える。
個別指導室に入るとドアがロックされ、「おちついて。数学を解こう。230×10+2。キーパッドを使って」というメッセージを見つけることができる。そのメッセージのとおり、「230×10+2」の答えをキーパッドに入力すれば脱出できるという、簡単なゲームだ。
通常であればそう迷わずに答えにたどり着けるだろうが、人類の明日を担う人材を育てるアパラチア式教育は一筋縄ではいかない。
しばらくするとVault101manguy氏はトラップのスイッチを入れ、壁をぶち破って火炎放射がプレイヤーに襲いかかる。即死することは無いので、音や炎と戦いながら計算を解かなければならない。
氏が公開した動画では、突然の出来事に多くのプレイヤーが驚き、なるべく火から遠い部屋の隅に逃げ出している様子が確認できる。
この愉快なトラップハウスを紹介した海外フォーラムRedditのスレッドには、「テストの結果、多くの人が突然火災の中で計算を解くのに苦労していることがわかりました」、「Vault-Techが本当に必要とした男」など、賞賛の声が集まっている。
その中にはBethesdaの社員も混じっており、「すごい!またCAMPの天才が現れた!ハハハ!」と賞賛を送っている
Vault101manguy氏はRedditに、「通常であればキャンプのトラップは問答無用で相手を閉じ込め、死ぬまで燃やすでしょう。それはそれで面白いがスポーツではありません。死体は燃えるかもしれないが、生存の希望より明るく燃えるものはありません」と、プレイヤーを楽しませることを重視した数学トラップハウスを製作した理由を語っている、
氏はキャンプに関するいくつかの詳細も共有している。このキャンプは多くの人を楽しませ、焼き殺された人も後から戻ってきて再挑戦したという。死亡した場合も装備品はきちんと返還される。火炎放射のスイッチを入れるタイミングも吟味し、中に入った被害者がしっかりと問題文を読んだことが確認できるまでは決してスイッチを入れることはない。
最後に「C.A.M.P.システムはおそらくゲームの最高のパートで、最も過小評価されているものだと思います」と語っている。もしあなたが『Fallout 76』をプレイしているのなら、こういった他のプレイヤーを楽しませるキャンプを製作してみるのはいかがだろうか。
ライター/古嶋誉幸