『巣作りドラゴン』、『ウィザーズクライマー』などを開発した「ソフトハウスキャラ」のブランドを持つ有限会社キャラが、経営上の理由で3月末をもって解散・廃業することが発表された。ソフトハウスキャラのタイトル及びブランドは、DMM GAMESに譲渡することになるという。
有限会社キャラ解散のお知らせ pic.twitter.com/qV0W5w3OHG
— (解散しました)ソフトハウスキャラ広報 (@shchara_tw) March 23, 2020
ソフトハウスキャラは、シミュレーションゲームとアドベンチャーゲームを組み合わせたゲームを得意とする有限会社キャラのアダルトゲームブランド。2000年に妖怪の女の子と旅館を経営する『葵屋まっしぐら』でデビュー。2004年の『巣作りドラゴン』が大ヒットして一躍注目を集めた。その後、『南国ドミニオン King of solitary island』、『グリンスヴァールの森の中 ~成長する学園~』、『王賊』、『ウィザーズクライマー』、『BUNNYBLACK』シリーズといった代表作を持つ。
特に大ヒットした『巣作りドラゴン』は、竜族というモンスター側の視点から人間との戦いを描いたシミュレーションゲームだ。竜族の巣(領土)を拡大しながら人間の町を攻撃したり、人間を撃退しつつ、キャラクターと交流を深めていくというもの。練りこまれたシステムとゲームバランス、そして情けない主人公とわがままな許婚のヒロインなどの個性豊かなキャラクターで、「遊べるエロゲ」として時間を忘れてしまうほど中毒性のある作品として知られている。
2019年12月にはネクストンとのコラボで『巣作りカリンちゃん』を発売。冒険者たちの注目を集めて、迷宮の侵入者を増やして撃退、そこから得られた資金で魔王カリン様を復活させるダンジョン運営シミュレーションとなっていた。
アダルトゲーム専用のレビュー投稿サイトである「ErogameScape -エロゲー批評空間-」では、2015年ごろあたりからソフトハウスキャラ作品へのユーザー投稿が減っており、ここ数年における苦境が伺える。アダルトゲーム業界全体の時代の変化もあるだろう。
残念ながら、経営上の理由で解散が発表されてしまったソウトハウスキャラだが、タイトルとブランドはDMM GAMESに譲渡されることになり、DMM GAMES.R18で販売されるという。DMMは譲渡されたブランドを活用して、新作を開発することもあり、新たなる展開もありえるだろう。現在、DMMでは『巣作りドラゴン』もダウンロード版が販売中だ。ソウトハウスキャラの解散を惜しみつつ、ひさびさに『巣作りドラゴン』をプレイしてるのもいいのかもしれない。
ライター/福山幸司