Steamで4月24日リリースされた『Coronavirus Attack』が、中国での販売を停止された。海外メディアgamesindustry.bizやMirror Mediaが報じている。ゲームの内容に、中国を批判したり、風刺した内容が多く含まれているものが原因と思われる。
問題となっているシューティングゲーム『Coronavirus Attack』は、その名のとおり新型コロナウイルスを題材とした作品。プレイヤーはコロナウイルス自身となり、画面の右側から押し寄せてくるゾンビウイルスの感染者を倒していくという、いわゆる不謹慎ゲームに該当する作品となっている。ストアページでは、秘密の実験室で作られたコロナウイルスになり、海外に逃亡を図ろうとするゾンビウイルスの感染者を撃退する趣旨の説明がされている。
本作のゲーム設定は直接、中国を名指ししているわけではないが、赤色の背景と黄色のウイルスが中国の国旗を想起させ、またSteamの実績には台湾と中国に関する政治的なメッセージが散見される。
Steamに投稿された本作への1000件のレビューのうち75%以上が本作にポジティブな評価を示したが、一方でMirror Mediaによれば、多くの中国人ユーザーが本作は自国を侮辱したと感じ否定的な評価を下したという。前述のとおり、現在では中国からのアクセスが禁止されている。
2019年に発売されわずか1週間で発売停止となった『還願 – Devotion』が東アジア研究の最前線であるハーバード大学燕京図書館に収蔵される
App Storeに続き、中国本土でSteam版『Plague Inc.』が配信停止。新型コロナウイルスの発生以降プレイヤー数は“爆発的に”増加
昨今の中国では、血や死体といったグロテスクな表現や、一部のギャンブルゲームおよびわいせつなゲーム表現が強く規制されている。また中国という国家に対して批判的な内容を持つ作品も同様であり、2019年2月に配信されたRed Candle Gamesの『Devotion 還願』は、国家主席を批判するようなイラストデータをゲーム内に収納し配信停止になった。
このほか、新型コロナウイルスの拡大とともに取りざたされたウイルス感染ゲーム『Plague Inc.』も、今年に入ってからApp StoreやSteamから駆除されいる。中国政府を批判しコロナウイルスを取り扱う本作が規制されるのは時間の問題だったと言えるだろう。
文/ishigenn