広告代理店「AKQR」が「Mojang」とコラボし、現在世界中で猛威を振るう新型コロナウイルスの感染拡大を『マインクラフト』で再現する「BLOCKDOWN SIMULATOR」をリリースした。
「BLOCKDOWN SIMULATOR」で蔓延する疫病は「ゾンビウイルス」だ。『マインクラフト』では、ゾンビが村人を殺すとその村人もゾンビになり、感染率は難易度ノーマルであれば50%、ハードであれば100%となる。
このシステムを流用した「BLOCKDOWN SIMULATOR」では、人が密集した場所でひとりでもウイルスを持った人間が現れると、ゾンビウイルスがどれほどの早さで感染して治療がどれほど困難になるかを再現している。プレイヤーはゾンビウイルスが蔓延する様子をただ見守ることも、あるいは医師として治療に当たることもできる。
ゲームを始めるには、村の中央にある高い塔の上のレバーを操作する必要がある。「Spawn Vilagers Everywhere」を選択すると村人たちが登場し、「Spawn One Zombie」のレバーでゾンビがひとりだけ現れる。難易度によってはウイルスが感染しないので、設定からゲームの難易度を「ノーマル」か「ハード」に変更しておこう。
塔の上のレバーでは「自由」、「検疫」、「ロックダウン」の3種類のシナリオを再現できる。もっとも感染が広がりやすいのは、住人が自由に動き回っている状態で、この状態ではかなりの速度でゾンビが増える。一方で、住人を家にリスポーンさせ鍵を掛けておくシチュエーションでは、ゾンビウイルスの感染はかなり食い止められることがわかる。
村の地下には病院があり、ゾンビ集中治療室(ZICU)ひとつに対して村人ゾンビがひとり入れるようになっている。プレイヤーは病院のスタッシュにある弱化のスプラッシュポーションと金のリンゴで村人を治療する。
治療方法は、まず弱化のスプラッシュポーションを右クリックでゾンビに投げつけ、弱化のエフェクトを確認したら今度は金のリンゴを右クリックで使用する。これで村人ゾンビは震えだし、赤いエフェクトを出すようになる。約5分間で治療完了だ。元気になった村人はまた村へと帰っていく。
ひとり治療するのはそう難しくないが、地上にゾンビがまだいれば、回復した村人も再びゾンビになる可能性がある。また、ゾンビたちはうまく集中治療室に落ちてこないこともあるので、すべてを治療するのは至難の業だ。難易度ハードでは文字通りハードな医療現場を体験できるだろう。治療では追いつかないほどゾンビが増えすぎたら、剣を手にさらに直接的な感染源の根絶が必要になるかもしれない。
ゲームの開発を担当したAKQRのジョセフ・デイビス氏とヒューゴー・バーネ氏は、「BLOCKDOWN SIMULATOR」がパンデミックの性質を完全には再現していないことを強調している。あくまで『マインクラフト』を使ったシミュレーションであり、現実とは異なる。
また、ゲームはまだ完成されていないため、よりよいパンデミックの再現方法があればそれを実装して欲しいと語る。少しプレイしてみると、太陽が昇るとゾンビが燃え始めることに気がつくだろう。通常のゲームであれば問題ないが、感染拡大を題材にするとなると、勝手に患者が死んでしまうのは考え物だ。他にも問題点や改善方法があれば、ぜひ実装してみて欲しい。
Mojangは国連の「#TomorrowTogether」プログラムをサポートしており、以前はクリーパーが手洗いを呼びかけるポスターを製作していた。「BLOCKDOWN SIMULATOR」は新型コロナウイルスへの注意喚起の第2弾だ。現実の感染拡大との戦いとは異なるが、感染がどのように拡大するかを理解する一助になるだろう。
「BLOCKDOWN SIMULATOR」は『マインクラフト』Java版所有者であれば無料で遊ぶことができる。ゲームファイルを公式サイトからダウンロードし、『マインクラフト』のセーブフォルダに解凍すればよい。詳しい解説は公式Wikiに掲載されているので、そちらを参考にして欲しい。
ライター/古嶋誉幸