Archipelは、ドキュメンタリー映像『Yoshitaka Amano – his universe, on paper』をYouTubeで公開した。『ファイナルファンタジー』シリーズに携わったイラストレーターの天野喜孝氏を取材して、その創作の極意に迫っている。なお映像そのものは2017年末に制作されたものだという。
Exploring the imaginary worlds of Yoshitaka Amano, illustrator & character designer legend behind the Final Fantasy series. Made a couple years back in collaboration with French publisher Mana Books, we are finally sharing this piece on Archipel today: https://t.co/odjj45Wefc pic.twitter.com/2Z3X0mbJkq
— Archipel | アルシペル (@SailToArchipel) April 30, 2020
取材を行ったのは、「toco toco」シリーズなどで日本のさまざまなクリエイターにフォーカスを当てて、ドキュメンタリー映像を制作しているクリエイター集団「Archipel」だ。ゲームクリエイターならばヨコオタロウ氏、橋野桂氏、須田剛一氏、SWERY氏、イシイジロウ氏、あきまん氏、五十嵐孝司氏などをこれまで取り上げてきた。
今回は『ファイナルファンタジー』シリーズの精彩なイラストレーションでおなじみの天野喜孝氏。『ヤッターマン』や『ガッチャマン』など、竜の子プロダクション(現:タツノコプロ)でのアニメーターでの仕事から、本格的なイラストレーターへの転身した。さらに坂口博信氏との出会い、イラストレーションとファインアートの考え方などが語られている。ゲームの最初の仕事のときは、キャラクターやモンスターをドット絵で描くのかと思ったら「リアルに描いてくれ」と言われたというユニークなエピソードも披露している。
西洋のファンタジーという現実にないイラストを描きたいと思ったことや、とにかく思いついたままに描くという創作スタイルについても言及しており、その言葉通り、素早い筆致でイラストを描いていることが映像で確認できる。
自分らしさはわからないとしつつ、ギュスターヴ・モローやレオナルド・ダ・ヴィンチといった自分がいいと思った巨匠を真似しつつ、あるとき自分の表現が出てきたという。普段はなかなか見ることはできない天野氏のアトリエも垣間見れるので、今回のドキュメンタリーは貴重な証言と映像といえそうだ。
ライター/福山幸司