5月5日(火)に匿名日記サイトのはてな匿名ダイアリー上で公開された「COVID-19流行下の日々を集団で記録する日誌」が話題となっている。
「COVID-19流行下の日々を集団で記録する日誌」は、カプコンのサバイバルホラーシリーズの1作目『バイオハザード』に登場する「研究所の飼育係」が遺した日記のようなノリで不特定多数の日常を記すサイトである。投稿にサイトへの登録は必要なく、完全な匿名で書き込むことができる。また、投稿時には削除キーを設定する必要があり、削除したい場合は控えておいたキーを入力するだけで削除できる。
該当するはてな匿名ダイアリーによれば、制作者が在宅勤務へ移行してから自分が“RPGの世界”や“仮想現実”の世界にいるような独特の感覚に陥っていた点や、「ブログでは長文を書かなければならず、社会的に意義があることを書かないといけない」固定観念を持っている点を挙げており、これらがサイトを開設するきっかけの一部になっていると考えられる。
実際の投稿では外出自粛を求められる状況下で仕事をする人や家で過ごす人たちの日常をはじめ、それぞれの趣味や食事に関する投稿、基となった飼育員の日記の再現や思わず笑ってしまうネタもあり、執筆時点で7500件以上の短文が投稿されている。
ユーザーが不特定多数に向けてメッセージを送る形式のサービスやゲームでは、DeNAが運営するプラットフォーム「モバゲー」内で提供されていた「黒猫サタン」や、個人ゲーム開発者のところにょり氏が制作した『ひとりぼっち惑星』などがある。
宛先のない「つぶやき」を投稿できるサイトとして認知されていた黎明期のTwitterのように、思い浮かんだ感情や思考を短文として“ネットの海”へと流すボトルメールに似たサービスは定期的に求められるものなのかもしれない。
興味があれば「COVID-19流行下の日々を集団で記録する日誌」の投稿をのぞき、自分でも匿名の短文日記や宛先のないメッセージを送信してみるとよいだろう。
ライター/ヨシムネ