『Cyberpunk 2077』を開発するCD PROJEKT REDは、6月11日に予定していた同作の情報番組「Night City Wire」の放送を6月25日に延期することを決定した。
5月25日に起きたアメリカミネソタ州ミネアポリスで起きた警官によるジョージ・フロイド氏への対応を受け、世界の関心をゲームではなく、より重要な議論に向けるための決定としている。黒人への差別反対運動「Black Lives Matter」の文言も添えられており、明確にこの運動をサポートする意向を示している。
We decided to move Night City Wire to Jun 25th. We still look forward to sharing new information about CP’77, but more important discussions are happening right now and we want them to be heard. We wholeheartedly stand against racism, intolerance and violence. Black Lives Matter.
— Cyberpunk 2077 (@CyberpunkGame) June 2, 2020
【重要なお知らせ】6月11日に予定していた『Night City Wire』を、6月25日(現地時間)に延期いたします。私たちは #サイバーパンク2077 の情報を皆さんにお届けするのを楽しみにしていると同時に、今は世界の関心を別のことに向けるべき時であると考えています。Black Lives Matter
— CD PROJEKT RED Japan (@CDPRJP) June 2, 2020
『Cyberpunk 2077』は、多様に設定できる主人公の設定から性別をあえて削除することが可能なほか、ゲームの舞台であるナイトシティに暮らす人々が実際にオリジンとなる土地の言語を話すことができるなど、多様性を尊重している。
E3 2019で公開されたトレイラーでは、ハイチ人を中心にしたブードゥー教信奉者で構成されるギャング団「Voodoo Boys」が、ステレオタイプであると批判を受けたが、これに対してオリジナルであるTRPG『Cyberpunk』シリーズの作者であるマイク・ポンスミスは海外掲示板Redditにて反論。
「オリジナル(『Cyberpunk 2020』)のVoodoo Boysは、文化の盗用を痛烈に批判していました。本物のブードゥー教徒がやってきて、自分たちの縄張りを取り戻すというアイデアが大好きです。(トレイラーに登場したVoodoo Boysに対し)彼らのクレオール言語も完璧です」と語っている。
ビデオゲーム業界でも「Black Lives Matter」へはソニー、マイクロソフトを含む多数のデベロッパー、パブリッシャー、個人開発者に分け隔てなく、多くの賛同者がサポートの意向を示している。
ライター/古嶋誉幸