ゲームクリエイターのアルバート・アレグレ氏、アルナウ・タラゴ氏、ポル・ミロ氏の三名が、宇宙船を舞台にした見下ろし視点のSFホラー『SOLUM』をitch.ioでリリースした。
コンセプトゲームということだが、スタートからエンディングまでプレイできる。ゲームを遊ぶにはできるだけ強力なスペックのパソコンが必要で、ビデオメモリは2GB以上、SSDにインストールすることが推奨されている。
『SOLUM』の舞台は、謎のエラーが起きてシステムが停止した宇宙船だ。主人公は船体の補修を行うため、ハイパースペースから目覚める。AIのガイダンスに従って、まずは船首へと向かうことになる。
道中には複数のクルーの死体が浮かんでおり、耳を澄ますとささやき声のような物音が聞こえ、正体不明の何者かが船に潜んでいることが分かる。プレイヤーは船体を修復し、この現象を生き延びなければならない。
ゲームの大きな特徴は全編が無重力空間という点だ。プレイヤーの宇宙服にはスラスターが付いており、無重力の中でも移動には問題ない。ただし、スラスターにはエネルギーが設定されており、道中で切れてしまうと詰みとなる。急に主人公が動かなくなっても、それはバグではなく仕様だ。
慣性を生かして、できるだけエネルギーを過度に消費しないように移動するのがいいだろう。もしも何かに出会ってしまったときにエネルギーがなければ、待っているのは死だ。
約2ヶ月前にベータ版がリリースされ、このたびコンセプトモデルとしてリリースされた『SOLUM』だが、チュートリアルやガイダンスに乏しい。そのため、クリアするには幾度かの試行錯誤が必要かもしれない。
必要最低限の知識も与えられずに始まるため、ゲーム内で全く教えられない操作方法だけ記しておく。移動はWSAD、向く方向はマウスで制御できるが、このほか、Eキーがユーズキーに割り当てられている。
とっつきにくさはあるが、宇宙船内のインテリアは美しく、壊滅的な事故が起きたことを物語るさまざまな物体が無重力空間を漂う中、懐中電灯の明かりを頼りに先を進むのはなかなか恐ろしい。また、ほとんど無音のゲームで音楽が流れる印象的なシーンは必見だ。30分もあればクリアできるゲームなので、空いた時間にプレイしてみて欲しい。
ライター/古嶋誉幸