2014年にクラウドファンディングがスタートし、その独特のセンスとビジュアルで注目を集め20万ドル(約2100万円)以上の資金を得たひきこもりRPG『OMORI』。本作の完成が間近であることを、ゲームを開発するOMOCAT氏が発表した。
コンテンツやアニメーションの追加が完了し、現在はバグフィックスやシーンの微調整といった最終工程に入っているという。最新のコンテンツを追加したことを受けて、残りの作業が数ヶ月かかる見込みとされている。2019年には2020年春に発売予定と発表されていたものの、その後は続報が途絶えていた本作だが、ゲームはそろそろ発売されると見てよさそうだ。
『OMORI』は『RPGツクール』で制作された心理的ホラーRPGだ。主人公Omoriは、電球やノートパソコンだけが置かれた真っ白な部屋にずっと住んでいるひきこもり。自分がどこから来た人物なのかも覚えていないが、かすかに残っていた「この部屋にずっと住んでいるわけではなかった」という疑念を持っている。
プレイヤーはOmoriを通じて未来と過去のふたつの世界を行き来し、Omoriの記憶を探索して秘密を解き明かしていくことになる。新しい、あるいは古い友人や敵と出会う中で、はたしてどちらの世界が本当なのかプレイヤーに問いかけが投げられる。
ゲーム内には8つ以上のダンジョンと60人以上のNPCが登場。旅の途中にはパーティを組んで敵と戦う一般的なJRPGのようなターン制の戦闘も発生する。
ゲームの原作は、OMOCAT氏のブログのキャラクター「陰鬱なオタク」としてのOmoriや、Omoriが主人公の短編小説『OMORI’S STORY』、絵本『OMORI’S SKETCHBOOK』、グラフィックノベルなど、多岐にわたる。OMOCAT氏は常に、Omoriのゲーム化という目標を持っていたという。そんな目標で6年以上開発を続けてきた『Omori』だが、ついに完成の時が近づいている。
ライター/古嶋誉幸