ビデオゲームパブリッシャーGraffiti Gamesは、アメリカ・マサチューセッツ州に拠点を置くSnoozy Kazooが開発するアクションゲーム『Turnip Boy Commits Tax Evasion』(カブの少年は脱税を決意する)を発表した。
Steamにて2021年に発売予定。なお今年1月には、インディーゲーム配信プラットフォームのitch.ioにて体験版が公開されている。
本作ではかわいらしい野菜たちが人間のように住むユニークな世界が描かれており、主人公も「野菜のカブの少年」だ。映像を一見するとほんわかとした童話のような世界に感じられるが、カブの少年は野菜たちが住む町で税金を支払うことができず、ゲーム冒頭で多額の借金のためにタマネギの市長によって家を差し押さえられてしまう。
なんとも世知辛い設定だが、なんとカブの少年は借金返済のためにダンジョンを攻略しつつ、裏で脱税を遂行することを決意。自分の指名手配書や市長の帳簿を破り捨てるなど、さまざまな違法行為、軽犯罪に手を染めていく。
その壮大な脱税の戦いの中で、カブの少年は野菜の住民たちを苦しめる腐敗した野菜政府を垣間見ることになり、政府を叩きのめすため動き始めることになるという。このように、可愛らしい見た目ながらも、かなりブラックな世界設定が本作の魅力のひとつとなっている。
肝心のゲームプレイは見下ろし視点の2Dアクションゲーム。プレイヤーはパズルや敵、レアな財宝でいっぱいのダンジョンを攻略し、ときには巨大なボス敵とも戦闘する。体験版をプレイしてみると、ハートスタイルのライフ制や剣・爆弾などを軸とした内容は『ゼルダの伝説』シリーズによく似ていることがわかるだろう。
プレイヤーは野菜の住人たちと交流したり、剣で敵を倒し草を刈り、パズルを解いてダンジョン最奥に待つボスを目指す。手に入れたアイテムを使うことで、探索できる世界が広がっていく感覚も『ゼルダの伝説』ゆずりとなっている。
その道中で脱税の証拠を隠滅していくことになるが、ゲーム本編ではどれだけ効率よく脱税したかによってゲームのエンディングも変化するという。
かわいいグラフィックとうらはらに、脱税や政府の腐敗といったハードで政治的な問題が描かれる『Turnip Boy Commits Tax Evasion』。現実の脱税は犯罪だが、帳簿を破り捨て証拠隠滅を謀るゲームの脱税は楽しいだろう。2Dの『ゼルダの伝説』が好きな方にもお勧めできそうだ。
ゲームに興味がある方は無料の体験版を遊んでみて、気に入ればSteamのウィッシュリストに入れてゲームの発売を待って欲しい。
ライター/古嶋誉幸