中国の巨大ゲーム企業Tencent Gamesは、オンラインイベント「Tencent Game Annual Conference」を開催し、40本にも及ぶ新作ゲームを発表した。
新作の中には、日本のゲームの権利を取得して開発されるものも多数含まれている。『真・三國無双』シリーズのモバイル版『真·三国无双 霸』(真・三國無双 覇)、『METAL SLUG』シリーズのモバイル版『合金弹头 代号:J』(METAL SLUG Code: J)、カプコンの格闘ゲームシリーズ『ストリートファイター』から『街霸:对决』(Street Fighter: Duel)が開発中であることが明かされた。
また、少し変わり種として、イラスト・デザイン制作会社のジョイネットのキャラクター七瀬くるみを主役にした『胡桃日记』(くるみ日記)も開発中だ。
この発表でTencentのシニア・バイスプレジデントのスティーヴン・マー氏は、ゲームは単なる娯楽や産業というだけでなく、人々の社会的、文化的、精神的な交わりの場であり、世界にある問題を解決する手段にすらなり得るかもしれないと語った。Tencent Gamesの作品は今後、「テクノロジー、ゲームプレイ、ストーリー」を中心に、ゲームの進化の可能性を探っていくという。
新しいブランドコンセプトは「Spark More!」。100を超える国内外のゲームメーカーやスタジオと手を結び、世界中のプレイヤーに住む地域やプレイするプラットフォームを越えたゲーム体験を届けたいとしている。
また、主要な大学と提携し、ゲーム産業のための「制作、教育、研究」システムを構築する計画を発表。ゲームに対する研究や才能を持った人材の発掘や育成を行い、よりよいゲームを作り出す計画だ。
マー氏は新型コロナウイルスの感染拡大へのゲームの貢献についても語った。その中には『リングフィットアドベンチャー』でプレイヤーたちがお互いに励まし合ったり、ゲーミフィケーションを利用したコロナウイルス解析プログラム『Foldit』について触れている。
Tencentは中国国外に積極的にマーケットを拡大しており、日本でも最近プラチナゲームズやマーベラスへの資金提供や業務提携を行っていることが伝えられている。先日は株式会社ポケモンとTencent Games傘下のゲームスタジオTimi Studiosが共同開発するMOBAゲーム『ポケモンユナイト』が発表されたことも記憶に新しい。
日本のビデオゲームフランチャイズやゲームスタジオとの提携も、Tencentの「Spark More!」構想に沿った計画のひとつのようだ。新型コロナウイルスの感染拡大により、ビデオゲームの存在感は今まで以上に高まっている。
世界最大のゲーム企業と呼ばれるTencentだが、今後はさらにその名前をさまざまな場所で見かけることになるだろう。
ライター/古嶋誉幸