任天堂は、6月26日に行われた第80回定時株主総会の結果を公式サイトに掲載した。公開された質疑応答のなかで任天堂は、「次のゲーム機の展望について教えてほしい」との質問を投げかけられ、古川俊太郎社長と取締役 上級執行役員の塩田興氏が答える一幕があった。
質問主は続けて「これまでのハードは必ずテレビまたはスクリーンに映して何かをするという形であり、そこには限界というものがあると思うが、この限界を超えるようなハードを考えているか」とも付け加えた。
この質問に対し古川社長は現行機であるNintendo Switchについて触れ、同機の発売から4年目に入り、普及の勢いが増していることを「Nintendo SwitchとNintendo Switch Liteのふたつの展開」と「任天堂の開発リソースを全てNintendo Switchに注いでいること」のふたつの理由から説明。
【更新 2020/6/30 20:00】 記事初版にて「同機の発売から4年が経ち」と掲載しておりましたが、正しくは「同機の発売から4年目に入り」でした。訂正しお詫び申し上げます。
Nintendo Switchのライフサイクルの長期化を図っていくと答えた。
古川氏:
現行機であるNintendo Switchは発売から4年めに入ったところですが、普及の勢いが増している状況で、その背景には2つの要因があると考えています。一つはNintendo SwitchとNintendo Switch Liteという異なる特徴を持った2つのハードが存在しているということであり、もう一つはNintendo Switchという一つのプラットフォームに向けて当社の開発リソースを集中してソフトをつくっているということです。
このような点を最大限に活かしながら、Nintendo Switchのライフサイクルを長期化していきたいと考えています。
また塩田氏は、スペックではなくユーザーに楽しんでゲームを遊んでもらうかという所に力点を置いて開発を続けていると回答。Nintendo Switchは携帯コンソールとして本体のスクリーンにゲームを映すこと、据え置きコンソールとしてテレビにゲームを映すことができ、さまざまなシーンに浸透できているという考えを示した。
家族がNintendo Switchを囲む様子もソーシャルネットワーク上でよく見られ、氏はそういった面でも本機の利点を実感している。将来のコンソールは、こういった経験を活かして考えていきたいと述べた。
塩田氏:
当社のつくるゲーム専用機は、性能面(技術的なスペックの高さ)よりも、いかにお客様に楽しいソフトを気持ちよく遊んでいただけるかというところに力点を置いて開発しています。テレビに映して遊ぶという観点につきましては、Nintendo Switchはテレビでも、ゲーム機本体のディスプレイでも遊べるため、これまでのゲーム機に比べてお客様の生活のあらゆるシーンで遊んでいただける機会が格段に増えたと思っています。
Nintendo Switchを通して、お客様の生活の中にゲーム専用機がこういう形で入っていけるんだという新たな発見もこれまでに数多くありました。お子様やそのご家族の皆様がゲーム機を囲んで遊んでおられるシーンもソーシャルネットワーク上で見られ、私たちのゲーム専用機の価値を改めて実感しています。こうした経験を活かしつつ、将来のゲーム機をどういう形で発展させていくべきかについて、しっかり考えていきたいと思います。
2012年にWii Uが発売され、2013年にPS4とXbox Oneが発売されてから数年後、Nintendo Switchは2017年3月に発売が開始された。他社の次世代機であるPlayStation 5およびXbox Series Xは2020年ホリデーシーズンにリリース予定となっている。
ライター/古嶋誉幸