『大長編 タローマン 万博大爆発』製作委員会は8月22日~8月24日、藤井亮監督&タローマンが登壇する「三大都市横断キャラバン舞台挨拶」を実施。8月23日12時に東京で行ったイベントレポートを公開した。
映画の上映後、熱気と興奮に包まれる観客の前に藤井監督と(匍匐前進で)タローマンが登場。観客席を含めて場内を自由に練り歩くタローマンは、観客が持っていたタローマングッズを手に取り監督にサインを促すなど、でたらめな行動でファンを沸かせていた。
\本日より全国公開!/
— 映画『大長編 タローマン 万博大爆発』公式 (@eiga_taroman) August 21, 2025
映画『大長編 タローマン 万博大爆発』
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昭和100年の世界へ‼︎
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『大長編 タローマン 万博大爆発』は8月22日より絶賛公開中の特撮映画。原作となるのは、1970年代に放送された(とされる)『TAROMAN 岡本太郎式特撮活劇』(以下、タローマン)だ。題号やビジュアルからもわかる通り、著名な芸術家・岡本太郎の作品や言葉をモチーフにした特撮ヒーロー番組となっている。
長らく正式な視聴手段が失われていた(とされる)番組だったが、現存していた(とされる)フィルムをかき集めてNHK Eテレが再放送を2022年に発表。「なんだこれは!」と言いたくなる、でたらめな内容と物語がジワジワと口コミで広がり、SNSでもトレンド上位に入るほどの人気を集めた。
身も蓋もないことを言ってしまえば、本当に1970年代に放送されたわけではなく、当時の特撮番組の質感や文脈を再現したモキュメンタリーのような手法で令和に制作された作品だ。
まるで70年代に放送された番組かのように、作品内外問わずあらゆる手段で視聴者を騙してくるが惑わされてはいけない。とはいえ、そういった点が本作の魅力の一つとなっている。

そんな本作の映画舞台挨拶では、登壇したタローマンが劇中のように“でたらめ”に大暴れ。全国で銀幕デビューし、本作がより広い層に知られるであろうという状況下でもタローマンは利口ぶった舞台挨拶を許さない。
スクリーン前や人の多い通路で奇妙な動きを見せ続けるのは、まだ大人しい方だ。観客席の中に堂々と入り込むや否や、観客が持参した私物のタローマングッズを攫ったまま会場内を縦横無尽に駆け抜けたり、それを全く別の関係ない観客に返そうとしたり、自らマイナスに飛び込む姿勢を見せつける。
グッズは監督もしくはタローマンがサインを書き込んでくれるというファンサービスも兼ねてはいるのだが、これにはMCも「(グッズは)隠しといてね!?」と観客席に向けて警告する事態となっていた。
筆者もイベントに参加していたが、タローマンに“芸爆”されないか心配で本当に怖かった(画像はオフィシャル提供映像より)
映画舞台挨拶ではずっとこの調子だったものの、監督はタローマンのそんな動きに慣れているのか、でたらめな巨人のことは気にせず映画の貴重な撮影秘話を語り続けていた。
しかし、観客の目は会場を駆け抜けるタローマンに釘付けだったため、監督らのトークは最早ラジオやオーディオコメンタリーのような状態と化しており、異様な空気感の舞台挨拶だったと言えるだろう。

なお、タローマンはイベントに登壇する度に暴れ続けているため、新調したとしてもスーツがすぐにボロボロになってしまうという。
本作は日本のローカルネタが詰め込まれているにもかかわらず、世界三大ファンタスティック映画祭の一つである「シッチェス・カタロニア国際映画祭」「ストラスブール・ヨーロピアン・ファンタスティック映画祭」への出品が(どういうわけか)決定してしまったが、海外のイベントに進出する際は「タローマンのスーツを新調しないと(笑)」と監督にぼやかれた。
『大長編 タローマン 万博大爆発』冒頭4分大公開です!これがあと101分ほど続きます。
— 藤井亮 @8.22劇場版タローマン公開です (@ryofujii2000) August 21, 2025
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笑いあり、感動あり、人間を通して「芸術と技術の対極」をエンタメとして詰め込んだ統合芸術のような本作は全国で絶賛公開中だ。
舞台挨拶が行われた会場では上映中、笑いが絶えない現場となっていたが、幼少時から数々の技術を通して芸術を創り・人に伝えている筆者は、溢れ続ける涙を味わいながら同じように笑いを堪えるという“べらぼう”な体験となった。
監督によれば「予習が必要なタイプの映画でもない」とのことなので、特撮や岡本太郎に詳しくなくとも是非、タローマンのように“マイナス”に飛び込んでいただきたい。なお、応援はタローマンが嫌がる可能性があるため、タイミングや手段に気をつけよう。
以下、プレスリリースの全文を掲載しています
ついに公開だァーーーーーー!藤井亮監督&タローマン登壇三大都市横断キャラバン舞台挨拶 in 東京シッチェス・カタロニア国際映画祭&ストラスブール・ヨーロピアン・ファンタスティック映画祭へ出品決定!!藤井監督「世界で通用するとは思わなかった!?」カナダ、スペイン、フランス…タローマンが世界を駆け巡る!!
「1970年代に放送された特撮ヒーロー番組」という体裁のもと岡本太郎のことばと作品をモチーフに制作され、岡本太郎(日本を代表する芸術)×特撮(日本を代表するエンタメ)の組み合わせが話題よんだ「TAROMAN 岡本太郎式特撮活劇」。1話5分のNHK Eテレの深夜での放送から口コミが拡がり、放送されるたびに【Xのトレンド1位】を獲得。続編の制作や関連書籍が増刷を重ね、関連イベントも盛況ぶりをみせるなど話題性もさることながら、第49回放送文化基金賞のエンターテインメント部門で優秀賞を受賞、藤井亮が脚本・演出賞を受賞するなど高い評価も獲得しています。1話5 分の物語が大長編となって、この夏スクリーンで大あばれ!
この度、映画の公開を記念し、各地の熱いファンの要望に応えるべく、8月22 日~8月24日に東京・大阪・名古屋の三大都市を巡る【縦断キャラバン舞台挨拶】を開催中。8月 23日に東京で実施されたイベントでは、藤井亮監督が登壇し、制作秘話を語ったほか、シュールレアリズム星からタローマンも駆け付け、映画の公開をでたらめにお祝い!さらに、カナダ・ファンタジア国際映画祭に続き、世界三大ファンタスティック映画祭の一つである「シッチェス・カタロニア国際映画祭」と、「ストラスブール・ヨーロピアン・ファンタスティック映画祭」への出品決定も大発表!
映画『大長編タローマン万博大爆発』横断キャラバン舞台挨拶 in 東京
◆日時:8月23 日(土)12時~12 時30分※上映後舞台挨拶
◆場所:TOHOシネマズ日本橋 SC4 (東京都中央区日本橋室町2丁目3−1 コレド室町 2 3F)
◆登壇者:藤井亮監督、タローマン
◆MC:赤ペン瀧川
大阪・東京・名古屋を巡る『大長編タローマン万博大爆発』横断キャラバン舞台挨拶 in 東京。初日は大阪で4回の舞台挨拶行い、2日目となる東京ではTOHOシネマズ日本橋にて舞台挨拶が開催された。劇場には多くのタローマンファンが駆け付け、グッズを買い求める人たちで早くも賑わいを見せていた。
上映後、熱気と興奮に包まれる観客の前に登場した藤井監督とタローマン。登場するや否や、場内を自由に練り歩くタローマンは、観客が持っていたタローマングッズを手に取り監督にサインを促すなど、でたらめな行動でファンを沸かせていた。「105分のでたらめな映画を観てみなさんお疲れでしょうが……」と切り出した藤井監督。大阪での舞台挨拶も大変な盛り上がりだったようで、「本当にでたらめで、舞台挨拶というよりはお祭りのようでした。上映前の体操というていで、みんなで踊ったり(笑)」と報告。NHK E テレの1話5分の番組から始まった本作について、「元々はNHKさんから岡本太郎さんの作品とことばを伝える番組を、というお話があって。岡本太郎さんをテーマにした素晴らしい作品がすでに多くあったので、そこで勝負するのは難しいと思っていた時に、太陽の塔を見て、これが動き出したらおもしろいと思って、やはり特撮だと提案しました」と、タローマン誕生の経緯を明かした。5分の番組をいかに長編映画として見せるかという点には苦労があったと語る藤井監督。「2025年が昭和100 年で、万博開催の年でもあったので、テレビでは描かれなかった岡本太郎の万博への思いを表現できたらと思いました」と、長編に込めた思いを語り、関連グッズの人気もさることながら、「タローマン」がここまで愛されるキャラクターになるとは想定外だったという。劇場映画を初めて手掛けた藤井監督は、とくに苦労したことを問われると、「去年の11月から年明けまでずっと撮影していて。背景と人物は別々に撮っているので、そこから合成の作業が半年間くらい続き、これ、終わるのかなって……(笑)」と苦笑い。「昔の映画はフィルムチェンジの印として、右上に黒い点が出るのですが、タローマンもそれを再現しているので、是非探してみてください」と細かすぎる見所を紹介。「全カット手抜きをしていないので、楽しんでいただけたら嬉しいです」と語るように、音響や70年代風の画づくり、画面アスペクト比など隅々までこだわり抜かれた映画となっている。また、特撮との出会いについては、「僕の生まれた年は特撮氷河期と言われていて、リアルタイムで見ていない分、特撮に対する憧れがあったのかもしれません」とコメント。岡本太郎のことばと作品は、どのようにチョイスされたのか。藤井監督は、「岡本太郎のことばから決めていきました。その言葉から逆算してストーリーを考え、作品を選び、奇獣たちをデザインしていきました」と明かした。続編の可能性について問われると、「元々が岡本太郎の展覧会のPRのために作られた番組なので、もしまたタイミングがきたら考えてみようと思います」とコメントした。
ここで、世界三大ファンタスティック映画祭の一つである「シッチェス・カタロニア国際映画祭」と、「ストラスブール・ヨーロピアン・ファンタスティック映画祭」への出品が発表!カナダ・ファンタジア国際映画祭でのクロージング上映に次ぐ快挙に、観客からも拍手が沸き起こり、藤井監督は「海外の方に伝わると思っていなかったので驚きです。内容もネタも日本ローカルなので……。海外の方がどう受け取ったのか気になります。海外にタローマンが行ったら楽しいでしょうね。その時はタローマンのスーツを新調しないと(笑)」と、想定外の快進撃に戸惑いつつ、笑顔を見せていた。最後に藤井監督は「この映画はみなさんの口コミが頼りです。映画を楽しんでいただけたら、是非広めていただけたら嬉しいです」と締め、マスコミ向けのフォトセッションでは、パネルの公開日の部分に、タローマンが「大ヒット上映中」のシールを逆さまに貼り、達磨の目入れ的演出で盛り上げ、イベントは大盛り上がりのうちに幕を閉じた。
■第58回シッチェス・カタロニア国際映画祭 (10月9日~19日)
※スペイン・プレミア上映
【パノラマ】部門上映
・世界三大ファンタスティック映画祭の一つ
映画祭委員長アンヘル・サラ氏からのコメント
“藤井監督による「大長編タローマン万博大爆発」は、大阪、特撮、そしてモキュメンタリーの文化的な力を結びつける、
現代芸術、ポップカルチャー、物語の融合だ。
現代日本映画における最も画期的なメッセージの一つであり、他にはないスクリーン体験である!”
“Taroman: Expo Explosion, by Roy Fujii, is a fusion of contemporary art, pop culture, and narratives that bring together
the cultural force of Osaka, tokusatsu,
and mockumentary in the style of Hitoshi Matsumoto. One of the most groundbreaking proposals in contemporary
Japanese cinema and a unique on-screen experience.”
■第18回仏ストラスブール・ヨーロピアン・ファンタスティック映画祭 (9月26日~10 月5日)
※フランス・プレミア上映
【ミッドナイト・セレクション】部門上映
・アボリアッツ、パリ・ファンタスティック映画祭なき後、フランスにおける最大級のファンタスティック映画祭。
映画祭プログラミング・ディレクターバスティアン・メイレゾンヌ氏からのコメント
“藤井亮監督が、日本のポップカルチャーに敬意を払いつつ、その枠を大胆に突破して怪獣と特撮の伝統を再解釈したことに私たちは驚かされました。
超現実的な想像力、手作りの温かみ、そして懐かしさと前衛的なスタイルが交錯するビジュアルで、この映画は子供の頃の夢が持つ不思議さと現代アートが持つ反逆的な知性を捉えています。
創造性に満ち溢れた『TAROMAN THE MOVIE』は単なるオマージュではありません。
それは、荒唐無稽、壮大、そして深く人間的な要素を同時に讃える、唯一無二の映画体験です。“
“We were stunned by how Ryo Fujii succeeded in reinventing the kaiju and tokusatsu legacy, paying tribute to Japanese
pop culture while boldly pushing its boundaries.
With its surreal imagination, handmade charm, and a visual style that oscillates between the nostalgic and the avant-
garde,
the film captures both the wonder of childhood dreams and the subversive wit of contemporary art.
Bursting with creativity, TAROMAN is not just a homage — it’s a vibrant, one-of-a-kind cinematic experience
that celebrates the absurd, the spectacular, and the deeply human all at once.
『大長編タローマン万博大爆発』
ようこそ!昭和100年の世界へ!!︎
「1970年代に放送された特撮ヒーロー番組」という体裁のもと岡本太郎のことばと作品をモチーフに制作され、岡本太郎×特撮(日本を代表する芸術×エンターテインメント)の組み合わせが話題をよんだ『TAROMAN 岡本太郎式特撮活劇』。
1話5分の物語が大長編となって、この夏スクリーンで大あばれ!
物語の舞台は1970年。そしてさらに、2025年へ。
時代を超えて、さらなるでたらめを繰り広げる物語に!
ただし…現在の2025年ではなく
「1970年代頃に想像されていた未来像」としての2025年【昭和100年】が舞台!
幾何学的な建物、透明なパイプで空中を移動する自動車、宇宙と交信する未来都市。
昭和のこどもたちが目を輝かせ、心を躍らせた、あの頃に思い描いていたワクワクとした未来。
夢と希望に満ち溢れたあの頃の未来の世界で、たたかえタローマン!
あらすじ
時は1970年。
万博開催に日本がわきたっていたその時、
2025年の未来から
万博を消滅させるためにやってきた
恐ろしい奇獣が襲いかかる!
でたらめな奇獣に対抗するには、でたらめな力が必要。
しかし、未来の世界は秩序と常識に満ち溢れ、
でたらめな力は絶滅寸前になっていた。
CBG(地球防衛軍)は万博を守るため、
タローマンと共に未来へと向かう!
●監督プロフィール
藤井亮
1979年生まれ。愛知県出身。武蔵野美術大学・視覚伝達デザイン科卒。
細部まで作り込まれた”でたらめでくだらない映像”で数々の話題作、受賞作を生み出してきた。今作でも、監督・脚本だけでなく、アニメーションやキャラクターデザイン、背景制作など多くのパートを担い、独自の世界を構築している。
作品情報
出演
タローマン
太陽の塔地底の太陽水差し男爵縄文人明日の神話/解説:山口一郎(サカナクション)
監督・脚本:藤井亮
企画・プロデュース:竹迫雄也プロデューサー:加藤満喜桝本孝浩倉森京子柳本喜久晴佐野晴香撮影:藤本雅也照明:東岡允美術:伊藤祐太録音:辻元良衣裳・ヘアメイク:浅井可菜編集:奥本宏幸 VFX:安田勇真妻谷颯真ポスプロコーディネーター:のびしろラボ音楽:林彰人監督補:佐野晴香制作担当:富田綾子宣伝プロデューサー:山澤立樹
製作:『大長編タローマン万博大爆発』製作委員会制作プロダクション:NHK エデュケーショナル豪勢スタジオ配給:アスミック・エース協力:公益財団法人岡本太郎記念現代芸術振興財団協賛:キタンクラブ三井住友海上アルインコ日本建設工業
【HP】taroman-movie.asmik-ace.co.jp 【X】@eiga_taroman
©2025『大長編タローマン万博大爆発』製作委員会