フランスのゲームパブリッシャーNaconは、オープンワールドレーシングゲーム『Test Drive Unlimited Solar Crown』を発表した。開発はラリーレースゲーム『WRC』シリーズを開発するKT Racing。ゲームの価格や発売日などは伏せられている。対応プラットフォームも未発表だが、Steamのストアページが公開されているため、PC版は確定しているようだ。
本作のクリエイティブディレクターであるアラン・ジャルニウ氏は『Test Drive Unlimited』シリーズや『WRC』シリーズの制作に参加してきた人物。Naconが開催したオンラインイベント「Nacon Direct」で本作の発表に際し、「シリーズの持つ遺伝子はそのままに、現代のトレンドを取り入れたゲームにする」と語った。
『Test Drive Unlimited Solar Crown』は、2011年にリリースされた『Test Drive Unlimited 2』以来となる久しぶりのシリーズ作品となる。「Solar Crown」は前作に登場した、プレイヤーに特定の行動を強制しない自由な大会の名前で、今作のコンセプトにあっていたためタイトルにつけられたという。
『Test Drive Unlimited』シリーズといえば、ハワイのオワフ島やスペインのイビサ島を1対1で再現した巨大なマップを自由にドライブしながら、レースや観光などのアクティビティを楽しめるのが特徴だ。また、オンラインで複数のプレイヤーとマッチングする「M.O.O.R.」(Massively Open Online Racing)システムを搭載。オンラインではほかのプレイヤーとのドライブやレースに参加できる。
ほかにもシリーズの特徴はあるが、『Test Drive Unlimited』ならではの遺伝子というと上記の2点だろう。ジャルニウ氏は、Nacon Directにて「見える場所には全て行くことができる」とゲームの特徴を語っている。本作の舞台となる土地は明かされなかったが、本作でも実在の場所が1対1で再現されていることに期待したい。
また本作では、ラリーレースゲーム『WRC』シリーズで培ったさまざまな技術が用いられている。ラリーならではの舗装路(ターマック)と未舗装路(グラベル)での車体の物理的な動きの違いは、オープンワールドレースゲームである『Test Drive Unlimited Solar Crown』にも存分に活かされるだろう。
ゲームに登場する車種についてはまだ詳しくは分からないが、フェラーリやランボルギーニ、ブガッティといった有名メーカーの車両が登場するようだ。カスタマイズオプションも多数用意されており、プレイヤーアバターも含めて前作までと同じくいろいろ変更できる。外見の変更は、そのままマルチプレイでほかのプレイヤーと出会う楽しみにもなる。「M.O.O.R.」は、本作でも搭載されることが期待できる。
2016年には『Test Drive Unlimited』の権利がATARIからNaconへと譲渡され、2020年3月に『Test Drive Unlimited 3』開発を認めたことが報じられていた。ほぼ10年ぶりの新作ということで話題になっていたが、ついに正式発表となった。
「この発表に対するファンやコミュニティの反応を聞き、ゲームのテクノロジーや経験を向上させ、ゲームを可能な限り素晴らしいものにするため、開発に時間を掛ける」とのことで、リリースまでにはもう少し時間が掛かりそうだ。
ライター/古嶋誉幸