部屋にゴキブリやクモが出てきてパニックに陥ったことがある方は少なくないだろう。慎重に部屋の荷物を移動させ、ヤツらがどこにいるか恐る恐る探す。いっそ火炎放射器で家をまるごと焼き払えれば楽なのに、そう思ったことはないだろうか。本作はその願いを叶えてくれる。パブリッシャーのtinyBuildは、Casey Donnellan Gamesが開発するコメディクモ殺しアクション『Kill It With Fire』の発売日を8月13日と発表した。
Steam、GOG、Epic Games Storeで発売予定。Steamストアページではゲーム序盤が遊べる体験版がすでにリリース済みだが、7月17日にさらなる武器などを追加した新しい体験版『Kill It With Fire: HEATWAVE』が無料でリリースされる。
なおこのゲームに出てくるクモは「キューキュー」と鳴くし造形はアニメチックなものではあるが、クモが苦手な方は絶対にプレイしてはいけない。
『Kill It With Fire』は、家庭にあるさまざまなアイテムを使って家に潜むクモを見つけ出して皆殺しにするゲームだ。登場するクモ殺しの武器は、そのマップのミッションを説明するクリップボードからヘアスプレーを改造した火炎放射器、ショットガン、手裏剣、時限爆弾など。さまざまなものが用意されている。
日本人としては少し広いなと思うが、舞台は一般的な一軒家だ。スクリーンショットや動画を見ると分かるとおり、かなりアニメチックなグラフィックになっている。登場するクモも現実のものと比べるとまだ可愛らしいような気がするが、実際に動いている姿を見ると鳥肌ものだ。
クモが潜む家の中に入ると、そこここから「キューキュー」とヤツらの声が聞こえるはずだ。序盤にはクモを見つけ出すための探知機も手に入る。鳴き声や探知機を頼りに、クモの居場所を突き止めて息の根を止めよう。
火炎放射器で手当たり次第に燃やしても良いが、燃料は有限だ。また、家の中に隠された役立つアイテムも、燃えてしまえばただのゴミになってしまう。そこでさまざまなアイテムを手に取り、回転させてクモがくっついていないか調べることになる。できるだけアイテムを集めようと思ったら、クモとの接近遭遇は避けられない。
これがなかなか秀逸なシステムで、ホラーゲームというわけではないがびっくりしてしまうことが良くあった。花瓶を手に取って回転させると目の前にクモがいる恐怖。それはちょうど、現実で家の中で虫と遭遇してしまった時と似ている。クモが登場した瞬間に鳴るバイオリンのサウンドエフェクトも、まるでホラー映画のような雰囲気だ。
クモは益虫であるはずだが、見た目が不気味なため不快害虫に分類されることがある。人間に害をなすこともなく、家の中のほかの害虫を駆除してくれることもあるが、どうにも愛されない。「クモ恐怖症」、あるいはアラクノフォビアという言葉すらあるほどに、彼らは愛されない。
少なくとも体験版では、ゲームでもクモはプレイヤーに攻撃してくることはない。規定数を殺すことでしか先に進めないが、彼らはただそこにいるだけだ。
このようにゲームをプレイしていると不快害虫について思いを馳せてしまうこともあるが、火炎放射器で適当に火をつけ回り、悲鳴と共にクモが数匹燃えながら這い出してくる様をみるのは暗い喜びがある。現実ではできないことでができるのがゲームの良いところだ。
ライター/古嶋誉幸