ドイツのゲーム開発スタジオION LANDSは、ソニー・インタラクティブエンタテインメントが運営するPlayStation.Blogにて、PlayStation 4版『Cloudpunk』の発売決定を正式に発表した。販売元はイングランドに拠点を置くMerge Gamesが担当し、日本時間10月16日(金)に配信される予定だ。
なお、同日にはXbox One版およびNintendo Switch版も配信予定のほか、PC(Steam)版が2020年4月にリリースされている。
『Cloudpunk』は、サイバーパンクな大都市「ニヴァリス」へ拠点を置く“半合法的な”運送会社のドライバーとしてさまざまなキャラクターへ出会い、それぞれの日常に迫るボクセルスタイルのアドベンチャーゲーム。今回公開されたPlayStation.Blogの投稿ではリードライターおよびストーリーデザイナーを務めたThomas Welsh氏が、個性的なキャラクターたちのなかから“4人と1匹の重要なキャラクター”を紹介している。
Welsh氏は本作の物語を作るにあたって、「白髪交じりのサイボーグ警察」や「路地で撃ち合うロボットギャングの抗争」のようなよくあるサイバーパンクの物語ではないと確信しており、“普通の人間が普通に暮らす物語”を描きたいと考えていた。そうして、生活費のために配達の仕事をしながらサイバーパンクの世界に住むさまざまなキャラクターと出会うヒーローとして生まれたのが主人公の「ラニア」だ。
氏によれば「ラニア」は「ニヴァリス」の外からやってきた移住者で、ドライバーとしての腕はよいものの地理に疎い。賢く少しひねくれた性格の彼女は屋台が好きで、酒を飲むことはないが食べ物の屋台を通り過ぎることはなく、何を売っているのか必ず確認しているという。
そんな「ラニア」へ仕事の指示を出すのは、年をとった無気力な男「オペレーター」。よく笑う彼は裏に謎めいた過去をもち、「危険な仕事に就くドライバーたちへ執着してはならない」と自分に言い聞かせている一方、「ラニア」が気がかりとなっているようだ。
続いて紹介されているのは「ラニア」の親友である「カミュ」。元々は犬型のペットロボットであったが、「ラニア」の借金を返済するためにボディーフレームは売却された。ただし、彼女は「カミュ」の人格をデータドライブへ保存しており、初任給を使って「HOVA」と呼ばれる車にアップロードしている。彼は「ラニア」の良心としての役割をもち、彼女のひねくれた性格からくる誤った決定や判断を再考させるよう促す。
また、彼は人間の食事を食べない一方で興味はあり、「ラニア」が存在を疑っている“ドーナツコーヒー”と呼ばれる食べ物を試してみたいと考えている。
「ラニア」が従事している配達業務中にも魅力的なキャラクターは登場する。“「ニヴァリス」で最高、最安”のキャッチコピーを掲げるアンドロイドの私立探偵「ハクスリー」は、ノアール小説を読み上げるような喋り方と“ハードボイルドなもの”ならなんでも食べてしまう変わり者で『Cloudpunk』ファンに人気のキャラクターである。
また、「シンウェーブナイトクラブ」のオーナーでミッドタウンの犯罪組織を取り仕切るボス「ロモ」も癖のある人物。彼は権威主義的な「ニヴァリス」の警察組織「CorpSec」に拘束されそうになったラニアを助け、恩を売りつけてくる。しかし、最初に抱く印象ほど悪い人物でもないようだ。
人間だけでなく、AIやアンドロイドなど、サイバーパンク世界におけるさまざまなキャラクターの日常が描かれる『Cloudpunk』。紹介されているキャラクターはほんの一部なので、興味があれば実際にプレイして暮らしに基づいたサイバーパンクの世界を堪能してみてほしい。
ライター/ヨシムネ