係争中のEpic GamesとAppleの『フォートナイト』を巡る問題で、AppleがEpic Gamesに対して損害賠償を求めて反訴したことが明らかになった。ロイターなどが報じている。
Appleは訴状(pdfファイル)の冒頭で、「Epic Gamesはまるで現代のロビン・フッドのように振る舞っているが、実際は数十億ドル規模の企業である」とし、同社の行動は義賊的行為でもなんでもなく、この係争は両社のお金を巡る基本的な意見の相違だと断じている。
また損害賠償については、Epic Gamesが8月の「Epicディレクトペイメント」のアップデートをひそかに適用し、Appleのアプリレビュープロセスを規約に違反する形で迂回していると主張した。
Appeはほかにも、両社がこれまで協調関係を築いていたことを強調。『インフィニティブレード』から続くEpic Gamesとの関係や、件の『フォートナイト』がApp Storeでリリースされてから2年で400回以上のアップデートが続いてきたこと、Appleがそういったタイミングで無料のプロモーションを実施してきたことなどにも言及した。両社の努力により、6億ドル(約640億円)以上の利益をEpic Gamesにもたらしたという。
また、Epic Gamesの大株主であるテンセントの存在にも言及し、世界最大級のアプリストアを持つテンセントの支援を受けたEpic Gamesが、App Storeのビジネスモデルを破壊し、他の開発者や消費者への影響を考慮することなく自らの経済的利益を促進しているとも記されている。
Epic GamesによるAppleの訴訟の最初の審議(参考記事)が終わったあと、Appleは事前の通告通りEpic Gamesのすべての開発者アカウントを停止した(参考リンク)。
一方のEpic Gamesは、Appleに対して『フォートナイト』をApp Storeに戻すように裁判所に要請した。海外メディアEurogamerによると、iOSは『フォートナイト』の全ユーザー3億5000万人のうち、1億1600万人が遊ぶ最大のプラットフォームであり、iOSユーザーの63%はiOS以外のプラットフォームで『フォートナイト』を遊んでいないという。Epic Gamesは、iOSのデイリーアクティブユーザーは削除される以前から60%以上が減ったと主張している。
ライター/古嶋誉幸