9月25日に行われたセガ・アトラス公式配信番組「セガアトラスTV」にて、特別企画「セガでも鑑定団」が披露された。セガ社員が秘蔵のお宝グッズを持ち寄り本気で鑑定額を査定する、あけすけに言えば『開運!なんでも鑑定団』を真似た企画だ。
お宝を鑑定したのは秋葉原のレトロゲーム専門店BEEPから天中元氏。セガの名作『獣王記』をリスペクトしたというクマのかぶり物をかぶって出演した。これまでに鑑定したアイテムは100万円台なら「ザラにある」と話し、お宝登場への期待を煽った。
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『龍が如く 維新!』の龍馬像
最初に登場したのは「龍が如くスタジオ」プロデューサーの佐藤大輔氏。いきなり巨大な物体を持ち込み度肝を抜いた。
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持ち込んだのは2014年に発売された『龍が如く 維新!』から龍馬像。2013年の東京ゲームショウのフォトスポット向けに、プロモーションのため制作費200万円を掛けて作ったという。
引っ越しする際に「捨てようか」という話も出たというが、龍が如くスタジオ内に鎮座し続けたという。
なんでも鑑定団でもお馴染みの本人評価額は20万円。制作費の90%オフという控えめな値段だ。しかし廃棄の危機を乗り越えた龍馬像の値段は、願いもむなしく0円と評価された。
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これには出演者も驚愕し、佐藤氏も苦笑するしかなかったようだ。値段の理由は、グッズというのはある程度広まっていなければならず、ワンオフの製品はごくごく限られたひとのみが欲しがるためだという。ブロンズ像であれば材料費が回収できたかもしれないが、FRP製なのでそれも見込めずこの結果となった。
佐藤氏は冗談めかして粗大ゴミの回収費用を心配し、金額が出てからは精悍な龍馬の顔もどことなく憂いを帯びることとなった。
『スペースハリアー』のポスター
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二人目は株式会社M2代表取締役の堀井直樹氏。鑑定に持ち込んだのは『スペースハリアー』のポスターだ。35年前の超美品で、値段がつけられず物々交換でしか手に入れられなかったという品だ。交換した品というのも「ここではいえない」というものだという。
鑑定する天中元氏も興奮気味に「すごいですね」とコメントし、鑑定前からすでにため息をつくような品だ。
本人評価額は17万5000円。ゲームセンターで使われていたものなので、美品として残っていることも少ない。値段はつけられない品にあえて値段をつけるとすればこの評価額のようだ。
鑑定額は驚きの50万円。『スペースハリアー』は人気ゲームだが、こういったアイテムはほとんどないのだという。天中元氏も少なくともここ10年見たことがなく、ゲーム開発関係者ですら欲しくても手には入らない品だからこその価格だ。
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『ファンタシースター 千年紀の終りに』の設定資料
次に登場したのはセガグラフィックデザイン部 部長の吉田徹氏だ。持ち込んだのは本人が製作した『ファンタシースター 千年紀の終りに』の設定資料が書かれたスケッチブックやマンガのカラー生原稿、説明書のボツ原稿、名刺大のキャラクターシートだ。
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これをひとまとめにして本にすればファンが驚喜する設定資料・画集になりそうだが、本人評価額はたったの3万円。「手書きだったから……」とかなり控えめな額にしているが、出演者からは「安すぎる」、「手書きだから良い」と総ツッコミが入っている。
天中元氏が出した鑑定額は260万円。「もっと高くてもイイ!!」とコメントまでつけられている。内訳として、スケッチブック1冊30万円、マンガのカラー原稿5万円、没原稿2万~5万円、名刺カードがフルセットで50万円。
表に出てこないゲーム開発の資料というのは非常に価値が高いという。
吉田氏は「無造作に机の上に置いておくのはヤバい」と動揺。あまりの額に、宮崎氏も「これは私物なのか会社の財産なのか」と所有権がどこにあるのかを気にするレベルだ。
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マイケル・ジャクソン氏から贈られたジャケット、『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』パッケージ原画も
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「セガでも鑑定団」には、この他にも無類のセガファンとしても知られるマイケル・ジャクソン氏から『マイケル・ジャクソンズ・ムーンウォーカー』の完成を記念して贈られたジャケットや、『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』1~3までのパッケージアートの原画が鑑定された。
どちらもかなり予想外(そして予想通りの)値段が付いている。セガファン垂涎のお宝が多数登場した「セガでも鑑定団」は、YouTubeで視聴可能だ。
ライター/古嶋誉幸