この世のハードウェアはふたつに分けられる。すなわち、『DOOM』が動くものと動かないものだ。年齢性別人種に隔てなく、日夜多くの人々がより変わったハードウェアで、より変わった方法で『DOOM』を動かそうとしている。
Redditユーザーのthenogli氏は、Redditに13年前に発売されたキヤノンのスキャナー「Scan Front 220P」で『DOOM』を動かす様子を投稿した。『DOOM』っぽい何かが動くのではなく、完全に『DOOM』が動作している。
「Scan Front 220P」は2007年にキヤノンから発売されたネットワークドキュメントスキャナーだ。価格はおよそ25万円と、当時はかなり高価だった。8.5インチのタッチディスプレイを搭載し、ネットワーク経由でファイルのやりとりもできる。
thenogli氏はこのハードウェアで『DOOM』を動かすための詳しい方法は公開していないが、「MS-DOS」と互換性があるOS「FreeDOS」をUSBメモリ経由で使っていると説明している。タッチスクリーンを搭載しているが、FreeDOS上で動作させるためのドライバーがなかったため動作しなかった。また、マウスとキーボードを使うのにも少し手こずったという。TCP/IPに対応しているため、やろうと思えばマルチプレイもできる。
一方、Scan Front 220Pはスキャナーにもかかわらずスピーカーまで搭載しているのだが、音楽の再生は叶わなかったという。
どんなハードウェアでも動く『DOOM』というより、13年前のスキャナーなのに『DOOM』が普通に動作するスペックを持つScan Front 220Pに驚いたというのが正直なところだ。
CPUは「AMD GeodeLX 500MHz」、512MBのメインメモリを搭載しているので、思った以上にスペックは高め。OSさえ対応していれば、もっと重いゲームも遊べるはずだ。
thenogli氏は本気か冗談か、「スキャナーで矢印やボタンをスキャンして『DOOM』を動作させるプログラムを考えています」と書き込んでいる。コレが実現すれば、まさにスキャナーで『DOOM』を動かす真価が発揮されるといえるだろう。もし本当に実現したら、また報告してくれるはずだ。