『返校 Detention』、『還願 Devotion』で知られる台湾のゲーム開発会社Red Candle Gamesは、最新作のゲームプレイを収録したと思われる12秒の映像を公開した。2Dアクションと思われるカラフルな作品で、これまで2作のホラーゲームを作ってきた同社の作風とは少し異なっている。
台湾メディアGNN Gamerのインタビューで、同社は本作がホラーゲームではないことを明かしている。またRed Candleは2019年に、海外メディアGamespotのインタビューにて次回作品がホラータイトルにならないことを仄めかしていた。2019年の時点で「さまざまなジャンルで実験を行っている」と語っていた。ホラーゲームに戻る可能性も示唆していたが、ホラー以外の新たなジャンルを切り開くことを選んだようだ。
2015年に設立されたRed Candle Gamesはこれまでに『返校 Detention』、『還願 Devotion』の2本のPCホラーゲームと、台湾のロックバンド「火氣音樂 FIRE ON MUSIC」とコラボしたiOS用ゲーム『滅火器-烤杯的火焰』をリリース。
リリースした2本のホラーゲームは台湾の文化風習、歴史をベースにしており、ゲームプレイも含めて大ヒット。台湾を代表するゲーム開発会社となった。『返校 Detention』はドラマや映画化され、体験型アトラクションにもなった。
2019年に発売された『還願 Devotion』は、ゲームに使われている素材のひとつに中国の習近平国家主席を揶揄するものが発見される。中国のユーザーを中心にレビュー爆弾や抗議活動が行われ、Red Candle Gamesは謝罪してその素材をゲームから排除した。しかし、本作のパブリッシャーIndieventが中国でのビジネスライセンスを取り消されるといった圧力もあり、最終的に世界中で販売が停止となった。
2021年にはポーランドのダウンロード販売業者GOG.comで再販が発表されたが、中国のゲーマーによる大規模な抗議活動によりGOG.comはすぐさま販売を中止することを決定。最終的にRed Candle GamesはDRMフリー版を自社サイトで販売することでようやく『還願 Devotion』を誰もが買える状態に復帰させた。
今回発表された最新作がSteamやGOG.comのストアで販売されるかは不透明だ。Red Candle Gamesは少なくとも『還願 Devotion』を販売する自社サイトで、将来的な新作はすべて販売するとTwitter上で伝えている。ホラーゲームで有名となったRed Candle Gamesの次回作ははたしてどのようなものになるだろうか。
ライター/古嶋誉幸