アメリカ合衆国バージニア州のレバノンに住む8歳の少年ブライソン・クリーマンさんが、病気になった愛犬を救うために自分の『ポケモンカードゲーム』(以下、ポケモンカード)コレクションを売って治療費を稼ごうとした。その姿を彼の母親が撮影し、寄付プラットフォームGoFundMeで寄付を募った。
このニュースはSNSで広く拡散され、シアトルのポケモンカンパニーインターナショナルもそれを知ることとなった。ポケモンカンパニーは少年にレアな『ポケモンカード』コレクションを送ったのだという。海外メディアDaily Pawsは、ブライソンさんへのインタビューを行っている。
ブライソンさんは現在8歳。生後4カ月の子犬ブルースとは大の仲良しだった。そんなブルースは5月に激しい嘔吐や下痢を引き起こし、場合によっては命を落とすこともある犬パルボウイルス感染症だと診断され、治療にはひとまず3日間の入院で700ドルが必要だと見積もられた。
だが感染症が進行していた場合、完全に回復するためにはさらに長い入院と費用が必要な可能性もあった。総治療費用は最終的に数千ドルになったとDaily Pawsのインタビューに答えている。
ブライソンさんは両親の経済状況を知っているため、両親に相談することなく自分でお金を稼ぐ方法を考えた。それが4歳から集めている『ポケモンカード』の街頭販売だった。
レバノンの街に住む人々は彼の窮状を知り、この販売所に足を運んだ。5ドルから10ドルでいくつかのコレクションが売れたというが、ほとんどの人々が何の見返りも求めず、ただ寄付箱にお金を入れていっただけだったという。わずか2日で400ドルが集まった。
お金以外にも、ドッグフードや販売するための『ポケモンカード』の寄付が集まり、地元のビール醸造所は「Brews for Bruce」(ブルースのための醸造)というイベントを企画して寄付金集めを手伝ったという。
そして、このことを知ったシアトルのポケモンカンパニーインターナショナルは、彼のコレクションのためにレアな『ポケモンカード』のパッケージを送った。
ブライソンさんの行動と、コミュニティの暖かい好意を知った彼の両親は、GoFundMeで寄付を募ってみてはどうかと勧められた。5月に始まったオンラインの寄付プロジェクトは、記事執筆時点で1万7000ドル以上を集めている。5月11日の時点ですでにブルースの治療に必要なお金は集まっており、残りは病気で苦しむ動物やその家族のために使うという。
ブルースは現在すっかり回復し、減っていた体重も元通りとなって元気に走り回っているという。