現地時間7月19日から23日まで開催されるゲームデベロッパーズカンファレンス(GDC)にて、パイオニア賞にトム・ファルプ氏、生涯功労賞にララリン・マクウィリアムス氏が内定した。
GDCパイオニア賞は画期的な技術、ゲームコンセプト、ゲームプレイデザインを開発した個人をたたえる賞だ。これまでに鈴木裕氏やゲイブ・ニューウェル氏が受賞している。
トム・ファルプ氏は『Castle Crashers』のThe Behemothの共同設立者で、FlashゲームポータルサイトNewgroundsの設立者として有名だ。
Newgroundsは1995年から続くサービスで、公開当時は「New Ground Remix」としてファルプ氏が制作したポイントアンドクリックアドベンチャーゲームや、その後手に入れたJavaScriptのゲームなどを掲載。1998年にFlash作品に取り組んだ。
1999年ごろまでは基本的に氏や一部のクリエイターの作品を掲載するウェブサイトだったが、多くのクリエイターが人気サイトとなった氏のウェブサイトで作品の掲載を望んだ。その願いを受け入れ、2000年には掲載プロセスを完全に自動化し、Newgroundsは開かれたプラットフォームとなった。(参考:公式サイト)
ゲームや映像作品を投稿するだけでなく、プレーヤーがレビューを投稿し、フォーラムで交流する総合プラットフォームに成長。2000年代の英語圏インターネットの重要な文化の一翼を担った。2010年のTime誌が選ぶベストインターネットウェブサイトでは39位にランクインしている。
Flashゲームの影響力とともに少しずつ影響力は落としているが、2021年には大人気ゲームとなった『Friday Night Funkin’』の最新バージョンがNewgroundsで独占公開された。このときはサーバーが落ちるほど大盛況だったという。こうした多くのクリエイターの活動の場を提供したことが今回の受賞につながった。
生涯功労賞はゲームとゲーム開発に影響を与えた開発者の功績をたたえる賞だ。これまでにウィル・ライト氏や小島秀夫氏が受賞している。
ララリン・マクウィリアムス氏は30年以上にわたって業界で活躍しているクリエイターだ。 Sony Online Entertainment(SOE)でMMO RPG『Free Realms』のクリエイティブディレクターや、E3 2003でもっとも多くの賞にノミネートされた『フル スペクトラム ウォリアー』のリードデザイナーを務めた。特にMMOゲームの開発で高い評価を受けており、Beckett MASSIVE ONLINE GAMER誌では、「2010年もっともMMOで影響力の高い人々」、「2010年MMOのトップ女性クリエイター」にリストされている。
現在はマイクロソフトの カスタマーサクセスエンジニアリング部門でプリンシパルクリエイティブデザインディレクターを務めている。最近はゲームと健康についてなど、ゲーム開発に関連した講演を行い、ゲーム開発の多様性を高めることを熱心に支持している。