ゲームクリエイターのToGetThroughTheWeek氏による、老いた探偵犬を主人公としたアドベンチャーゲームの開発が進行中だ。『A Bone To Pick』と題された同プロジェクトは、犬になって事件を捜査する独特のシステムや憂いと哀愁を帯びたノワール的世界観が話題を呼び、海外のゲームファンの間で完成への期待が集まっている。
Update to my office environment for my game, currently titled 'A Bone to Pick'.
byu/ToGetThroughTheWeek inunrealengine
『A Bone To Pick』の制作風景はフォーラムサイト「Reddit」の「Unreal Engine」公式コミュニティページ内で目にすることができる。氏は2021年4月、本作の原型となった「猫になり家の中を駆け回るゲーム」のデモ映像を同ページに投稿。それから約3ヵ月後の7月にはジャーマンシェパードがトランポリンの上を跳ねるアニメーション動画を公開し、新たに犬が登場するゲームの開発に着手した旨を伝えた。
Working on a Trampoline mechanic for my dog game
byu/ToGetThroughTheWeek inunrealengine
この際のモデリングが進化して誕生したのが本作の主人公「Rex」である。作者のコメントによれば、元警察犬のRexは職務中にパートナーの警官を失ったのを機に自暴自棄となり、やがて解雇処分にあったという。
その後はフリーの探偵として事務所を犬小屋内に構えていたが、未解決の「最後の事件」を追って“二度と仕事はしない”という誓いを破り再び捜査へと乗り出す。小屋兼事務所の壁には動物向けの実在の名誉勲章「ディッキンメダル」が飾られている点からも、Rexは非常に優秀な警察犬であっただろう背景が示唆されている。
Instagramに投稿された画像からは、かつての家族と思しき犬たちの写真を物憂げに眺める姿も確認でき、ハードボイルドな設定が惜しみなく詰め込まれた本作。メインの未解決ケースのほかにも「おもちゃ消失の謎」や「失踪した犬探し」などの小さな依頼から、時には「死亡事件の捜査」といった大きなヤマも舞い込むようだ。首元につないだ鎖を使ったパズル要素や「穴掘り」といった犬ならではのアクションも一連の投稿からは伺えた。
Working on physics chain for the first puzzle of my game
byu/ToGetThroughTheWeek inunrealengine
ToGetThroughTheWeek氏はRedditのページ上で同作に対する意見を積極的に取り入れる姿勢を見せているので、本プロジェクトに興味を持たれた方はコメントを寄せてみてはいかがだろうか。また、9月15日(水)には開発パートナーを募る意向を伝えており、プログラミングやアニメーション、ライティングなどの知見がある者への協力を投稿で呼びかけている。
『A Bone To Pick』は、本稿執筆時点で鋭意制作中。対応プラットフォームやリリースの時期は明らかとなっていない。