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「ゲーミング活魚」発売開始。振動を感知してサケやホタテの体内で魚卵と真珠に見立てたLEDが輝く、なぜ製作したのか作者に聞いてみた

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 埼玉県川越市に店舗を構える「おすし雑貨研究所、松」は、電子工作ユニットの「すいラボ」が製作を手がけた『ゲーミング活魚』の販売を開始した。

 『ゲーミング活魚』は、迫力ある活魚の姿を模したぬいぐるみにLEDモジュールを内蔵したゲーミンググッズ。「鮭」、「はまち」、「鯵」、「帆立」の4種類が展開されており、振動を感知することで極彩色に光り輝く

 本商品の製作を手がけた「すいラボ」は、電子工作を得意とする夫の「けん」氏とデザインを担当する妻の「もちきん」氏による夫婦ユニット。オリジナルの電子基板を使用した、電源の切り替えや電池交換が可能なイヤリング、ヘアゴム、キーホルダーといった発光アクセサリーを中心に、展示イベントやオンラインでの販売を通じて約4年間で2000点近くのLEDグッズを売り上げてきた

 そうした製作過程で芽生えた「“光る楽しさ”を伝えたい」という気持ちから、身近なものにLEDを仕込んで光らせる様子をいわば「ネタ的に」発信してきたともちきん氏は話す。手始めに消臭剤、続いてチョコレートのパッケージを輝かせてきた活動の延長線上に『ゲーミング活魚』は誕生した。

 発光を美しく魅せるための試行錯誤を経て発見した「LEDと布素材との相性のよさ」もきっかけのひとつだ。手応えを得たのは3年前、羊毛フェルト作家のオオカワシオリ氏とコラボした際のこと。もちきん氏によればLEDの光は、肉眼で見た場合に悪い意味での「粒っぽさ」が目立ち過ぎてしまう傾向にあるそうだが、布地を通すと光の拡散具合が柔らかくなり見た目にもキレイに映るのが判明したという。

 さらに、「おすし雑貨研究所、松」で見つけた活魚の生地に惹かれ、もっとも巨大でインパクトを持つ鮭の内部に、イクラの粒に見立てたLEDを仕込んだ動画がTwitterで大きく注目されたのも製作の後押しとなった。なおモジュールの内蔵にあたり縫製に協力したのは洋裁家である「けん氏の母親」だそうだ。

 また、技術的な部分にも工夫が凝らされている。使用するLEDは子ども用の靴などでも見かける「インパクトモジュール」という衝撃を受けて光るタイプのもので、床から伝わる程度の微細な振動でも発光してしまうため販売先での電池の消耗が懸念された。

 この点については、LEDを全て一定方向に固定することで、魚体の腹部を上向きにしている間は不要な発光を抑えるのに成功。副産物として、揺れに伴う内部でのLEDの散らばりを防ぐ結果にも至った。

 課題はそれだけではなかった。LEDの電池は密封式で交換不可という仕様。普段手がけるアクセサリーも「電池交換ができて長く楽しめる」のをコンセプトとしているだけに、電池が切れた後もLEDを新品に替えて楽しめるよう縫製の面でも苦労を重ねたようだ。

 LEDを交換可能にするため、もちきん氏は洋裁家の義母をアドバイザーに迎えて解決に挑んだ。当初は腹部にチャックを付けて中身の出し入れを図ろうと考えていたが、義母いわく「縫っている箇所が見えるため美しくない」とのこと。リアルな魚の柄を活かすべく洋裁家ならではの技術と発想で、マジックテープに沿うよう腹部の曲線を一点一点ていねいに縫い上げていった。

 こうした手作業による多くの工程を経て生まれ、パッケージにも遊び心が込められた『ゲーミング活魚』は、「おすし雑貨研究所、松」にて全4種類が販売中。価格は「鮭」が5500円、「はまち」が4400円、「鯵」、「帆立」がともに3300円(各税込)となっている。

 また、9月上旬には秋葉原の「ラジオスーパー」でも取り扱いを開始する予定だ。なお「ゲーミング鯵」「ゲーミング帆立」については今後オンラインでの販売も予定しているとのことなので、購入を希望される方は「すいラボ」の公式サイトSNSをチェックして発売を待たれたい。

※今回のニュース記事執筆にあたり、メールでの取材を行い「すいラボ」のもちきん氏および「おすし雑貨研究所、松」様にご協力をいただきました。

ライター
フリーランスの翻訳者を経て、2021年より編集アシスタントとして加入。京都の町屋で猫と暮らす。
Twitter:@dashimaruJP

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