2月25日に発売され、3月には早くも世界累計出荷本数1200万本を突破を記録した『エルデンリング』。作家ジョージ・R・R・マーティンの手掛ける神話をベースに作られた、美しいファンタジーの世界を自由に冒険できる一方、難易度の高いアクションRPGとしても有名だ。
そんな難しい『エルデンリング』を、なんとたった一度も攻撃せずに攻略する褪せ人が現れた。フロムソフトウェアの作品をこよなく愛し、『ダークソウル3』では「大扉の盾(両手盾)」を使った侵入企画や、『エルデンリング』で早くも「レベル1攻略」を達成したIron Pineapple氏だ。
もちろん、『エルデンリング』のボスたちは某地下世界RPGのように対話して「みのがす」ことなど不可能。ただ誠心誠意、殺し合いをする他ないゲームだ。そんなゲームでどうやって「Pルート」を歩めるのだろうか。
鍵となるのは、『エルデンリング』から初めて導入された要素「遺灰」だ。作中に登場したキャラクターを自分の下僕として戦わせられる要素であり、この「遺灰」で呼んだ下僕、さらに「サイン」で呼ぶことができるNPCも集めつつ、自分は「回復」の奇跡などで彼らを支援して攻略するというのがポイントのようだ。
動画では実際にIron Pineapple氏が攻略する様子が端的に描かれている。最初の素性は「預言者」を選択。高い精神力で遺灰を呼ぶためのFPを確保しつつ、「回復」の奇跡で遺灰を支援できる、平和の使者にはぴったりの素性だ。形見には「牙鬼インプの遺灰」を選択。なかよしインプ2匹を召喚する遺灰で、彼らには割合でダメージを与える「出血」が付与されているため、未強化でも一定の火力が期待できる。
しかし、遺灰は初期状態では火力、耐久力ともに心もとなく、彼らの支援をするツールを持つことも難しい。つまり、経験値(ルーン)が必要になる。そこで氏は真っ先に「ケイリッド」を訪問。ここの夜に出現するボス「夜の騎兵」を、大橋の底へ飛び込み自殺させることで撃破。「ENEMY FELLED」(確かにその通りだと本人談)という表記と共に、大量のルーンを確保する。
さっそく序盤の難敵「忌み鬼 マルギット」へ挑戦するが、当然というべきか火力不足があらわになる。そこで氏が注目したのがケイリッドの宿将オニールが落とす斧槍「宿将の軍旗」だ。この斧槍はただ突くだけでなく、戦技「軍旗の下に」を使うことで自分を含む周囲の味方の攻撃力を1.2倍、さらに被ダメージを0.8倍、30秒にわたって強化することができる。これでインプたちの火力を増やし、見事にマルギットを撃破する。
動画の中で興味深いのは、いわゆる「最強遺灰」と名高い「写し身の雫」や「黒き刃、ティシー」を(一部を除いて)ほぼ使っていない点だ。前者は主人公の火力不足で反映されてしまうこと、また後者はそもそも遺灰を呼べない封牢を突破できないことが原因だ。
その代わり、Iron Pineapple氏は実に様々な遺灰、そして彼らを支援する武器や奇跡を集め、歴戦のデミゴッドたちを屠っていく様子が動画のなかで極めて丁寧に解説されている。また最後には「こんなふざけた攻略も許容するフロムソフトウェアを愛しています」と締められている。
『エルデンリング』にはプレイヤーの心を折りにかかる様々な難敵が配置されている一方、プレイヤーが取れる選択肢も豊富に用意されている点が魅力だ。特に新要素である「遺灰」は50種類以上も用意され、ただ強いだけでなく状況や戦略に応じて実に多様な活躍を見せてくれることが、氏の動画からもうかがえる。
なかなかエルデの王になれず困っている褪せ人の方々も、まだプレイされていない方々も、『エルデンリング』の極めて多様なゲームプレイを確認できる動画の全容や、また他にもトリッキーな挑戦を行っているチャンネルの登録をされてみるのはいかがだろうか。