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アカツキ、2022年3月期の決算は営業利益34.1%減と大幅な減収減益に。既存タイトルの落ち込みや新規タイトルへの投資が響く

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 アカツキは5月9日(月)、2022年3月期の決算短信を公開した。

 公開された資料によれば、同社グループのゲーム事業については新型コロナウイルス感染症の影響は見受けられず、既存タイトルの堅実な運用と新規タイトルの開発に努めてきたという。

 バンダイナムコエンターテインメントとの協業で運営されている主力タイトル『ドラゴンボールZ ドッカンバトル』では、日本国内の7周年記念イベント、全世界3.5億ダウンロード突破記念イベントなどを開催。国内だけでなくアメリカ、フランスをふくむ複数の国と地域でストアのセールスランキング1位を獲得した。

 また、スクウェア・エニックスとの協業タイトル『ロマンシング サガ リ・ユニバース』では国内版の3周年イベントや、他の『サガ』シリーズ31周年を記念したイベントなどを開催し、長期目線での安定運営を継続。しかしゲーム事業全体では既存タイトルの落ち込みや、新規タイトルへの投資が進捗したことを受け、前期比で減収減益となった。

アカツキが2022年3月期の決算情報を公開。大幅な減収減益に1
(画像はGoogle Play『ロマンシング サガ リ・ユニバース』配信ページより)

 IP事業においては、取り扱いIPの増加、展開チャネルの拡大などIPエコシステムの構築が着実に進捗したとしている。くわえてウェブトゥーン事業への参入を決定し、アプリ開発とコンテンツ制作が進展しているとのことだ。第3四半期会計期間にて、自社IPの共同開発に伴う一時的なライセンス収入が発生したため、IP事業全体では前期比で増収増益を達成したという。

 ゲーム事業とIP事業の複合したプロジェクト『トライブナイン』については、3Dグラフィック技術を用いて作品の世界をリッチに再現する表現を追求し、スマートフォン向けの3DアクションRPGを制作中。すでに公開されたアニメ版をはじめ、リアルイベントやグッズ、ミュージックビデオなど多角的に展開していく姿勢を示している。

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(画像はアニメ『トライブナイン』公式サイトより)

 以上の結果、当連結会計年度の業績は売上高262億7300万円(前期比15.5%減)、営業利益74億4800万円(前期比34.1%減)、経常利益78億6700万円(前期比29.5%減)、当期純利益51億9300万円(前期比18.2%減)を記録した。なお、同社グループはゲーム事業の占める割合が高く、開示情報としての重要性が乏しいとして、各セグメントごとの記載を省略している。

 2023年3月期以降については、今後ともゲーム事業を軸に国内、海外の両面での展開を推進していくとしている。新規タイトルの開発に在っては、次世代のゲーム体験をけん引する3Dなどの新技術開発に投資し、人材採用や育成をさらに強化、中長期的な成長を狙うとのことだ。

 IP事業についてはウェブトゥーンアプリ「HykeComic」の開発やオリジナル作品の制作など、ライブラリ構築を進めていく構え。業績の見通しについては、ゲーム事業における不確定要素が多くIP事業への投資も積極的に行うため合理的な数値の算出が困難であるとし、開示を行わない方針をとっている。詳細については、アカツキの公式IR情報ページを参照されたい。

ライター
1998年生まれ。静岡大学情報学部にてプログラマーの道を志すも、FPSゲーム「Overwatch」に熱中するあまり中途退学。少年期に「アーマード・コア」「ドラッグ オン ドラグーン」などから受けた刺激を忘れられず、プログラミング言語から日本語にシフト。自分の言葉で真実の愛を語るべく奮闘中。「おもしろき こともなき世を おもしろく」するコンピューターゲームの力を信じている。道端のスズメに恋をする乙女。

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