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主人公が見る異形の認知世界に「イマジナリーフレンド」として介入するゲーム『Milk inside a bag of milk inside a bag of milk』と続編が日本語に対応。トラウマにより不気味に変貌した日常を描く

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 個人ゲーム開発者のNikita Kryukov氏は7月18日日から19日にかけて、『Milk inside a bag of milk inside a bag of milk』(以下Milk 1)および、続編である『Milk outside a bag of milk outside a bag of milk』(以下Milk 2)が日本語に対応したと発表した。

 価格はいずれも税込みで『Milk 1』が100円、『Milk 2』が930円となる。

『Milk inside a bag of milk inside a bag of milk』と前作が日本語に対応_001
(画像はSteam:Milk outside a bag of milk outside a bag of milkより)

 日本語への対応が発表された『Milk』シリーズの2作は、精神の病を患う主人公の少女と、彼女のイマジナリーフレンドを描くノベルゲームだ。

 『Milk』シリーズの最大の特徴は、プレイヤーが主人公ではなく、主人公のイマジナリーフレンドとしてゲームに介入する点。このメタ的な設定により、プレイヤーの選択肢は主人公の行動を規定することなく、会話の助言として機能することとなる。

 実際のゲームプレイでは、ただ彼女に正論をぶつけるのみでは拒絶されてしまうため、彼女の心的疲労を考慮しながらコミュニケーションすることが重要だ。

 また、主人公が自身が生きる世界をアドベンチャーゲームだと認知している点も本作の作風を形成する要素として機能している。

 なお『Milk 1』のローカライズはMohiMojito氏が、『Milk 2』はRina Watanabe氏高橋温氏が担当した。

『Milk inside a bag of milk inside a bag of milk』と前作が日本語に対応_002
(画像はSteam:Milk inside a bag of milk inside a bag of milkより)

 『Milk 1』は主人公が母親に頼まれ、ミルクを買いに行き、自宅に帰るまでを描く。一見シンプル過ぎるシナリオだが、主人公はとある出来事をきっかけに世界の認知が歪んでいるため、異形の不気味な世界を冒険するような体験となっている。

 『Milk 1』のビジュアルは彼女の認知に依拠して描かれ、荒いドットと赤と黒のアートスタイルを採用している。自宅には腕に注射を打ち込んでくる化け物が登場し、出先で出会う人々はいずれもクリーチャーと化し、アートワークからは彼女が感じている世界への恐怖を追体験可能だ。

 『Milk 1』の日本語ローカライズを担当したMohiMojito氏は、ローカライズに至ったバックグラウンドを紹介するnoteを公開している。こちらはネタバレ要素も含まれるため、クリア後の楽しみとしてチェックすると良いだろう。

 いっぽう、『Milk 2』は前作の最後のシーンから物語が描かれる。帰宅した主人公は、常用している薬を服用して床に就くが、就寝前に整理していた思考が蛍となって部屋中に散らばってしまった。そのため、本作では部屋中に散らばった思考を集めていくことになる。

 ゲームシステムはポイント&クリック型のアドベンチャーゲームとなっており、多様なルート分岐も用意されている。分岐には、たどり着くのが困難なセリフや画像、シーンも存在するという。またグラフィックは前作より解像度が高いドット絵となっており、ゲーム内の音楽もビットクラッシュしたチップチューン風の楽曲のみならず、ハイファイな楽曲も収録されている。

 いずれの作品も比較的お手頃な価格で購入できるため、興味がある読者はぜひ本作をプレイしてみよう。

編集者
ゲームアートやインディーゲームの関心を経て、ニュースを中心にライターをしています。こっそり音楽も作っています。

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