国内の個人ゲーム開発者である727NotHoundは9月29日、『Photogenic Minds : Identity』を発売した。
対応プラットフォームはSteamで、価格は税込み1900円となる。
発売時点でバージョンは0.9とされるため、作者の不具合をチェックしたり、必要に応じてフィードバックを行うと良いだろう。
『Photogenic Minds : Identity』はデッキ構築型の3D探索サイコホラーゲームだ。ゲームプレイは3Dの回廊でループしながらオブジェクトを撮影し、写真にすることで発動する効果を組み合わせて「デッキ構築」することが中心となる。
回廊は任意のタイミングでループし、スタート地点に戻ってしまう。しかしながら撮影した写真はスタート地点で再撮影可能なオブジェクトとして登場する。プレイヤーはこの仕組みを戦略的に利用し、回廊の攻略を進めていく。
Steamストアページではゲームシステムの詳細は明かされていないものの、本作の開発のために制作された試作版『Playable Mockup』に近いシステムである可能性が高い。
仮に『Playable Mockup』と同様のシステムであれば、プレイヤーはループする回廊で「被写体」と呼ばれるオブジェクトの撮影を行う。各オブジェクトは撮影することで回廊の攻略に必要な「効果を持つ写真」に変化。時間を操作する効果の「写真」を収集し、ゲーム開始時の深夜0時から正午12時まで進行させることで「死者の魂」が出現する。回廊で無事「死者の魂」を撮影すればゲームクリアとなる。
試作版『Playable Mockup』では、主人公のステータスとして撮影可能な枚数を決定する「フィルム数」、ループの開始時に前の周回で獲得した写真を撮影するための「枠」と「電力」、主人公のSAN値を奪う脅威の駆除に必要な「駆除能力」という値が設けられている。そのため、プレイヤーは時間操作のみならず、ステータスを強化する効果の写真も撮影する必要がある。
また、同作ではフィルムを使い切ることでループがリセットされ、次の周回の開始時には前の周回で撮影した写真を「電力」と「枠」を消費して再び撮影できる仕様となっている。これらのシステムにより、同作は不気味で緊張感のある空間の中、「デッキ構築型」らしい頭脳戦を楽しめるものとなっていた。
いっぽうで、『Photogenic Minds : Identity』のスクリーンショットではフィルムと「駆除能力」のアイコンのほかに新たなアイコンが追加されており、ロケーションも和風の建築や電車と思わしき空間も追加されている。おおまかな要素は『Playable Mockup』を踏襲していながらも、試作版から大いに変化した作品になりそうだ。
このほかに、本作には死者の特性と名前を推理する「論理パズル」要素も用意される。こちらは写真によるデッキ構築以上に頭を使うコンテンツだが、強力な「探偵道具」を持ち込むことで、強引に全てを解決することが可能だ。
本作は前述のとおりにバージョン0.9としてリリースされており、発売から半月でバグや修正などを補完する予定だ。バージョン1.0のリリース後は更に遊びの幅を拡張するアップデートが実施されるため、開発者である727NotHound氏のTwitterをチェックしよう。
撮影ギミックとデッキ構築ゲームのシステム、そしてホラーゲームが融合したキメラのような魅力を放つ本作。興味がある読者はぜひ本作を遊んでみよう。