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実写に見えるボディカムFPS『Unrecord』が、異例の声明を発表。あまりにリアル過ぎたため「詐欺ではない」と表明。また「VRではない」「CGムービーを使っていない」とも。発売時期の明言は避ける

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 インディーゲームスタジオDRAMAは、先日発表したボディカムFPS『Unrecord』に大きな反響があったため、プレイヤーの質問や懸念について答える声明を発表した。

 『Unrecord』は、まるで実写のような「ボディカメラ視点」と、独自の手の動きによる「フリーエイミングシステム」を備えたシングルプレイのボディカムFPS。

 プレイヤーは警察の特殊部隊員となり、犯罪事件の現場を調査し、さまざまな登場人物と対峙していく。FPSとしてのタクティカル・シューターとしての側面に加えて、物語を重視しており、犯罪者と対峙したときは道徳的なジレンマを伴う選択に迫られるようだ。

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(画像はSteamより)
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(画像はSteamより)

 本作は、Unreal Engine 5で実写のようなビジュアルを構築しており、さらに独自の手の動きによる「フリーエイミングシステム」を備えている。詳細は不明だが、従来のFPSのように照準が画面の真ん中にあるのではなく、画面内を手の動きとして自由に動かせるようだ。

 日本時間では4月20日に本作のゲームプレイ映像が正式発表されたが、本作の共同ディレクターのAlexandre Spindler氏のツイートでは記事執筆時点で4.3万リツイート、さらにこれを取り上げた各ゲームメディアでも大きな反響があり、大きな話題となっている。

 その反響のほとんどはポジティブなもので、Unreal Engine 5で開発された実写のようなビジュアルに対する驚嘆だ。

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(画像はSteamより)

 一方で本作のゲームプレイ映像を、リアルタイムCGではなく事前に生成したCGムービー、つまりプリレンダリングCGを使ったフェイクではないかと疑った人も少なからずいたようだ。

 これに対してAlexandre Spindler氏は、Unreal Engine上でゲームを動かす動画を公開している。そこには変則的に動く様子や壁をすり抜ける様子が登場しており、本作はリアルタイムCGであることが伝わってくる。

 さらに今回、公開された声明では改めて「詐欺ではありません」と説明。実写映像に見えることについては、「現実とゲーム映像を比較するのは過大評価です」とコメントした。

 また警察官の暴力事件などを念頭に、「実際の出来事に影響を受けたものではありません」とし、ゲームには差別、人種差別、女性やマイノリティに対する暴力など、好ましくないトピックは避けているとのこと。また一方で違和感を感じる人もいるだろうが、プレイヤーの解釈は尊重するとのこと。

 また発売時期については、今回の反響の勢いを失わないように「開発を加速していきたい」としている。一方でリリースについては予定時期も決まっていないとのこと。

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(画像はSteamより)
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(画像はSteamより)

 リアルな効果は、テクスチャやポリゴン数だけに依存するものではないので、性能の低いマシンでも没入感を味わうことは可能だが、旧世代のPCでは、Unreal Engine 5を搭載した次世代ゲームを十分に楽しむためのパフォーマンスが得られない可能性があるという。

 最後に「VRゲームではない」ということを強調し、要望の高い言語にはローカライズも検討しているという。ベータテストに関しては開催時期がきたらお知らせするとのこと。

 今回の声明には、開発者も予想外の反響があったことが伺える。なお本作は実写のようなクオリティの映像がフォーカスされるが、物語重視であることを謡っており、アドベンチャーゲームの『Firewatch』から着想を受けているという。ストーリーテリング面でも期待したい。

ライター
85年生まれ。大阪芸術大学映像学科で映画史を学ぶ。幼少期に『ドラゴンクエストV』に衝撃を受けて、ストーリーメディアとしてのゲームに興味を持つ。その後アドベンチャーゲームに熱中し、『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』がオールタイムベスト。最近ではアドベンチャーゲームの歴史を掘り下げること、映画論とビデオゲームを繋ぐことが使命なのでは、と思い始めてる今日この頃。
Twitter:@fukuyaman

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