Meta社のマーク・ザッカーバーグCEO(最高経営責任者)は、アメリカ・カリフォルニア州の現地時間4月26日に開かれた2023年度第1四半期の決算説明会にて、2023年後半に次世代型VR/MRヘッドセットを発売するための準備を進めていると伝えた。また、販売の際「多くの人にお届けできる」価格帯に設定する方針も明らかにしている。
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Meta社は、2月末に開かれた社内のReality Labs部門および海外メディアThe Vergeへ向けたプレゼンテーションイベントで、“Meta Quest 3”と仮称されるものを含む3種の新型ヘッドセットやARグラス、およびARグラスに付随するスマートウォッチを2027年までに存在を明らかにしていた。
また、決算説明会の場でザッカーバーグ氏は、2022年11月から断続的に続くレイオフ(一時解雇)から発生した「メタバース事業からの撤退」の噂を否定。サービス内のレコメンデーション・広告運用をはじめとするAIインフラの整備とあわせて「今後も(AIとメタバースの)両方に注力していく」との方針を示した。
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(画像はMeta Quest VRヘッドセット、アクセサリー、機器 | Meta Quest | Meta Storeより)
一方、決算発表のなかでMeta社の売上高は前年同期比で3%増の286億ドルを記録したものの、Reality Labs部門における売上高はMeta Quest 2の売り上げ減少により前年同期比で51%減の3億3900万ドルとなっており、従業員関連の費用や構造改革も含めて40億ドルの営業損失を計上している。
2023年度第2四半期の業績については、売上高が前年同期比でプラス1%未満の295億ドルから320億ドルとなる予想を伝えている。ただし、2023年通期では施設統合の費用や退職金などの支払いにより860億から900億ドル程度の費用が発生する見通しで、Reality Labs部門の営業損失は2023年も引き続き前年比で増加となる見込みだ。
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新たに登場する次世代型VR・MRヘッドセットが厳しい環境に置かれるReality Labs部門をどこまで支えられるか、慎重に動向を見守りたい。