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『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』の任天堂公式インタビュー「開発者に訊きました」が公開。ストーリーの大きなテーマは「手と手」に

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 任天堂は5月9日(火)、「開発者に訊きました」シリーズの第9回として『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』(以下、ティアーズ オブ ザ キングダム)開発メンバーへのインタビューを公開した。記事執筆時点でCHAPTER2までが公開されており、CHAPTER3は5月10日(水)中に掲載される予定である。

 今回の「開発者に訊きました」には『ゼルダの伝説』シリーズのプロデューサーを務める青沼英二氏をはじめ、前作『ブレス オブ ザ ワイルド』から引き続きディレクターを担当した藤林秀麿氏、テクニカルディレクターの堂田卓宏氏、アートディレクターの滝澤智氏、サウンドディレクターの若井淑氏といった面々が質問に答えている。

 CHAPTER1のテーマは「変えるもの、変えないもの」。まず『ティアーズ オブ ザ キングダム』が『ブレス オブ ザ ワイルド』の続編になった理由としては、前作の完結したフィールドに“新しくやりたいこと”がたくさん見えてきたという背景があったそうだ。企画書の段階から「フィールドは変えない」と明記していたという。

 一方で遊びに関しては挑戦的に変化をつけており、堂田氏は「空からダイビングしても途切れることなく、直接大地に降りられる」点を『スカイウォードソード』から進化したポイントとして語っている。また藤林氏は、今作のダイビングは爽快感だけでなく、上空から地上を見渡すことで地上の情報を集めるという意味も持たせられたと話した。

 その上で青沼氏は『ティアーズ オブ ザ キングダム』で新しく作った遊びは“解き方を直感的に思いつくことができるものばかり”とコメントしており、初めてのプレイヤーにも遊びやすいものになっているそうだ。ストーリーについても同様で、初見のユーザーも、前作の経験者も、どちらにも違和感がないように工夫を凝らしているとのこと。

『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』の「開発者に訊きました」が公開1
(画像はニンテンドーeショップより)

 CHAPTER2のテーマ「手と手をつなぐ」では、まず主人公「リンク」の“右手”の変化がフォーカスされている。青沼氏によれば『ティアーズ オブ ザ キングダム』では「手と手」がストーリーの大きなテーマにもなっているそうだ。また物語では「ハイラル王国」の過去にもつながる「封印戦争」についてが語られていく。

 さらに謎を解くときのリンクの能力はすべて“手”から発するものに。特別な扉を手で開けるなど、ゲームシステム面でも手を使うシーンが象徴的に入っているそう。若井氏によれば、BGMの中にもハンドクラップの音を入れるなどして“手”を演出しているという。

『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』の「開発者に訊きました」が公開2
(画像は「開発者に訊きました」より)

 また、開発の中では何度も「既視感」という言葉が出ていたと青沼氏は振り返る。印象として前作と似ているように感じてしまう部分は生じながらも、開発が進むうちに「変えなきゃ」と焦っていた部分も「そうあるべきもの」に変わっていた……という経験が語られている。

 藤林氏は開発の終盤まで、「変えるもの・変えないもの」の違いに悩むことが多かったと開発の苦労を語った。しかし、徐々に「変えてしまうと魅力がなくなるんじゃないか?」という箇所が見えてくるようになり、そういった部分を“大いなるマンネリ”として肯定するようにもなっていったそうだ。

『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』の「開発者に訊きました」が公開3
(画像はニンテンドーeショップより)

 『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』はNintendo Switch向けに5月12日(金)の発売を予定している。本作に関する「開発者に訊きました」のCHAPTER3は5月10日(水)に更新される予定のため、発売を待ちかねている方はぜひCHAPTER1、CHAPTER2にも目を通しておこう。

ライター
1998年生まれ。静岡大学情報学部にてプログラマーの道を志すも、FPSゲーム「Overwatch」に熱中するあまり中途退学。少年期に「アーマード・コア」「ドラッグ オン ドラグーン」などから受けた刺激を忘れられず、プログラミング言語から日本語にシフト。自分の言葉で真実の愛を語るべく奮闘中。「おもしろき こともなき世を おもしろく」するコンピューターゲームの力を信じている。道端のスズメに恋をする乙女。

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