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美術や大衆文化の観点から見た『ティアキン』評論も展開?近代美術史の研究家・松下哲也氏と大井昌和氏・さやわか氏による『ゼルダの伝説』のトークイベントが7月22日に開催決定

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 出版社のゲンロンは、近現代美術史・キャラクター表現論を研究する松下哲也氏とマンガ家の大井昌和氏、ライター・物語評論家のさやわか氏によるトークイベント「いまこそ語ろう、ゼルダの伝説──『ティアーズ オブ ザ キングダム』と任天堂の軌跡」を7月22日(土)19時から開催すると発表した。本イベントは東京・五反田のイベントスペース「ゲンロンカフェ」にて現地観覧が可能なほか、シラスニコニコ生放送でのオンライン配信も実施される。

 観覧チケットはいずれも税込で現地3000円、シラス1485円、ニコニコ生放送1500円。シラスは半年間、ニコニコ生放送では7日間アーカイブ映像を視聴できる。

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 今回のイベントでは、2023年5月に発売され人気を博する任天堂のアクションアドベンチャーゲーム『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』にちなんで、1986年から展開される『ゼルダの伝説』シリーズが根強い人気となった理由やほかのゲームとの違い、今作の魅力を深掘り。『ゼルダの伝説 時のオカリナ』の発売時に高校の試験をさぼって“エラい目にあった”エピソードを持つ松下氏が、美術史と大衆文化史の専門知識を交えて大井氏・さやわか氏らとたっぷり語り尽くすようだ。

 イベントの開催に関連して、松下氏は2018年3月に美術史的な観点から『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』を論じる記事を電ファミニコゲーマーに寄稿。また、今回の発表にて松下氏は『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』を「おどろくべきことに前作のロマン主義的体験をSF的なセンス・オブ・ワンダーに昇華しています」と評している。果たしてどのようなトークが展開されるか、興味があればぜひ会場や配信でチェックしておくとよいだろう。

プレスリリースの全文は以下のとおり。


松下哲也×大井昌和×さやわか
「いまこそ語ろう、ゼルダの伝説──
『ティアーズ オブ ザ キングダム』と任天堂の軌跡」
【ニッポンのマンガ #20】開催のご案内

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株式会社ゲンロン(本社:東京都品川区、代表:上田洋子)は、イベントスペース・ゲンロンカフェにて、2023年7月22日(土)19:00より、近現代美術史・キャラクター表現論を研究する松下哲也さん、マンガ家の大井昌和さん、そしてライター・物語評論家・マンガ原作者のさやわかさんによるトークイベント「いまこそ語ろう、ゼルダの伝説──『ティアーズオブザキングダム』と任天堂の軌跡」【ニッポンのマンガ #20】を開催いたします。現在、会場観覧チケットが発売中のほか、シラスなどインターネット配信でもご覧いただけます。

【イベント概要】

今年5月12日に発売された『ゼルダの伝説ティアーズオブザキングダム』が話題です。2017年の前作『ブレスオブザワイルド』は数々の主要なゲーム賞を獲得するなど多くのユーザーから好評を博しました。待望の続編として発売された本作は、発売からわずか3日で世界販売本数1000万本を突破する記録的大ヒット。遊びの幅が広く自由度が高いプレイが可能で、SNSでは本作のプレイ動画が連日投稿され賑わっています。

初代『ゼルダの伝説』は1986年に発売。「スーパーマリオブラザーズ」シリーズとともに、世界中のゲームファンから長く支持される任天堂の人気シリーズです。

なぜ「ゼルダの伝説」シリーズは根強い人気なのか?「ゼルダの伝説」は他のゲームとなにが違うのか?本作『ティアーズオブザキングダム』は本当に面白いゲームなのか?

この度ゲンロンカフェでは、「ゼルダの伝説」に並々ならぬ思い入れがあるという美術史家の松下哲也氏をお招きし、人気トークシリーズ「ニッポンのマンガ」でお馴染みの大井昌和氏とさやわか氏がお相手となり、「ゼルダの伝説」についてたっぷりと語り合っていただきます。

松下氏は、以前には美術史的な観点から『ブレスオブザワイルド』を論じて話題を呼びました。ゲーム史の流れだけでなく、美術などゲーム以外のカルチャーと比較して「ゼルダの伝説」をどのように考えることができるのか。ゲンロンカフェならでは白熱トークをご期待ください!

【登壇者の松下哲也さんから】

「ゲームでしか味わえない感動がある。」というキャッチコピーがあります。『ゼルダの伝説時のオカリナ』発売時の宣伝文句ですが、これは当時右肩上がりで向上していたゲーム機の性能を動画や音声などゲームとは直接関係のない要素のために使う傾向にあった同時代の大作に対する批判だったのではないかと思います。

ゼルダシリーズは物語よりもプレイ体験を重視した「ゲーム」であるがゆえに、もともと一貫した世界設定を持っていませんでした。ところが、2011年に出版された『ハイラル・ヒストリア』において、同シリーズがじつは『時のオカリナ』のあとに複数の時間軸に分岐した並行世界モノだったのだという後付けの設定が付加されます。

この「大きな物語」を提示したあとに作られた『ブレスオブザワイルド』は、シリーズを『∀ガンダム』の「黒歴史」と同様の概念のもとに総括したマップをプレイヤーに提供しました。過去作を引用した廃墟や地形を巡るプレイ体験は、ロマン主義における崇高あるいはピクチャレスクの美学そのものです。そして、この世界を踏襲した最新作『ティアーズオブザキングダム』は、おどろくべきことに前作のロマン主義的体験をSF的なセンス・オブ・ワンダーに昇華しています。

……なんてこった!「ゲームでしか味わえない感動」が近代の美術と文芸の歴史を再現しているぞ。これはいったいどういうことなんだ!

ということを、『時のオカリナ』発売時ゲームやりたさに高校の試験をサボってエラい目にあったゼルダ信者の立場から、だけじゃなくて、もちろん美術史と大衆文化史を専門としている研究者の立場からもお話ししたいと思います!

【登壇者プロフィール】

松下哲也(まつした・てつや)

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1981年大阪府生まれ。多摩美術大学を経て國學院大學にて博士(歴史学)。現在、京都精華大学マンガ学部准教授、同国際マンガ研究センター研究員。近現代美術史とイラストレーション史を基盤にして、マンガ、アニメなどのキャラクター表現とその歴史を研究している。著書に『ヘンリー・フューズリの画法物語とキャラクター表現の革新』(三元社)。ほか商業媒体にて執筆多数。

大井昌和(おおい・まさかず)

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第三回電撃ゲームコミック大賞銀賞。
月刊電撃コミックガオ!にて『ひまわり幼稚園物語あいこでしょ』でデビュー。
主な作品は『ちぃちゃんのおしながき』『おくさん』『明日葉さんちのムコ暮らし』『ヒメコウカン』など。

さやわか

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1974年生まれ。ライター、物語評論家、マンガ原作者。〈ゲンロンひらめき☆マンガ教室〉主任講師。著書に『僕たちのゲーム史』、『文学の読み方』(いずれも星海社新書)、『キャラの思考法』、『世界を物語として生きるために』(いずれも青土社)、『名探偵コナンと平成』(コア新書)、『ゲーム雑誌ガイドブック』(三才ブックス)など。編著に『マンガ家になる!』(ゲンロン、西島大介との共編)、マンガ原作に『キューティーミューティー』、『永守くんが一途すぎて困る。』(いずれもLINEコミックス、作画・ふみふみこ)がある。

【開催概要】
日時:2023年7月22日(土) 19:00~
会場:ゲンロンカフェ(東京都品川区西五反田1-11-9 司ビル6F)
会場観覧:3,000円(税込)Peatixにて発売中http://ptix.at/F7hulW
インターネット配信:シラス 1,485円(税込) https://shirasu.io/t/genron/c/genron/p/20230722
ニコニコ生放送 1,500円(税込)https://live.nicovideo.jp/watch/lv341888533
※シラスは放送終了後半年間、ニコニコ生放送は7日間のアーカイブ視聴が可能です


ライター
2019年11月に電ファミへ加入。小学生の時に『ラグナロクオンライン』に出会ったことがきっかけでオンラインゲームにのめり込む。コミュニケーション手段としてのゲームを追い続けている。好きなゲームは『アクトレイザー』『新・世界樹の迷宮2』『GTFO』など。
Twitter:@fuyunoyozakura

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