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「Unity」インストール数で利用料が増す新システム「Runtime Fee」を発表。ダウンロードの集計方法など開発者の懸念が殺到

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 Unity Technologiesは9月13日、同社が提供するゲームエンジン「Unity」を駆使したビデオゲームに関する商用利用に関して、ゲームのインストール数を基準に利用料を決定するシステム「Unity Runtime Fee」を2024年1月1日から導入すると発表した。

 同システムの発表を受けて、Unityを使用する独立系ゲーム開発者からの懸念や不安がSNS上で話題を集めている。

 Unityは、Unity Technologiesが手掛けるゲームエンジンだ。2005年に開発され、モバイルゲームやPC向けゲームのほか、近年ではアプリ開発、映像やXRコンテンツの制作にも活用されている。利用料金は利用者が獲得している収益や使用する機能によって区分され、学生や個人利用、ごく小規模の開発チームであれば無料で使用できる点も魅力となっている。

 この度発表された「Unity Runtime Fee」は、過去12か月における作品の売り上げと、作品の累計インストール数が、「最小しきい値」を超えた際に発生する利用料だ。Unityの利用者は利用しているプランの利用料のほか、作品のインストール数などに応じてUnity Runtime Feeを支払うこととなる。

 なお、 「規模が拡大していない企業」への影響を避けるべくしきい値は高めに設定されており、現時点では圧倒的にしきい値を超える一部の人気作品のみが「Unity Runtime Fee」の対象となっている。

 また、「Unity Runtime Fee」にあわせてUnityの無料プラン・Personalは開発チームや組織の規模に関わらず利用可能となる。

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(画像はUnity のプランの価格設定とパッケージの更新 | Unity Blogより)

 しかし、本システムにおいて「ダウンロード数」を集計する方法が不透明であることや、ゲームの購入ではなく再ダウンロードもカウントされてしまう点、チャリティや体験版により損をする可能性がある点などが問題視されている。SNS上では前述した「Unity Runtime Fee」の不信な要素を懸念するユーザーの投稿が跡後を絶たず、Unity Technologiesは追ってQ&Aなどを公開している。

 いっぽう、とくにSNSに投稿された「公式のコメント」とされる声明においても情報が食い違うケースが散見され、本件に関してはかなり情報が錯綜している。「Unity Runtime Fee」の行く末を慎重に見守る必要がありそうだ。

ライター
ゲームアートやインディーゲームの関心を経て、ニュースを中心にライターをしています。こっそり音楽も作っています。

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