巨匠・横山光輝の描いたマンガ『三国志』全42巻が、本日よりKindleストアでの配信を開始した。横山光輝氏の生誕90周年を記念した電子化プロジェクト「Selected Works」の一環で、同作以外にも多数の横山作品の電子化が相次いでいる。
本作の電子版はこれまでもDMMブックスなどでは取り扱われていたが、Kindle版が出版されるのはこれが初めて。
「横山三国志」と通称されることの多い本作は、多数の著者が描いている中国の人気歴史物語「三国志」(三国志演義)のマンガ作品だ。「三国志」は現代でも小説やマンガ、ゲームなどの題材としてたびたび取り上げられているが、中でも「横山三国志」は最もメジャーな作品のひとつと言えるだろう。
黄巾の乱の時代、のちに蜀を築く劉備・関羽・張飛らが出会い、桃園の誓いで義兄弟となるところから、彼らの死後に蜀の国が滅亡するまでを描ききっており、物語のスケールは壮大。三国志演義の名場面はほとんどすべて描かれており、現代でも「三国志」入門編として真っ先に名前が挙がる作品だ。特徴的、印象的なセリフや展開も多く、しばしば引き合いに出されることもある。
第1巻の登場から数えるとすでに半世紀以上の歴史も持ち、後に続く「三国志」をはじめとした歴史漫画の先駆的な作品でもある。横山氏は同作以外にも『殷周伝説』や『項羽と劉邦』あるいは『織田信長』『徳川家康』ほか日本の歴史まで、多数の歴史マンガを執筆している。