PCゲームプラットフォーム「Steam」にて、一部通貨の「PayPal決済」が利用不可となり波紋が広がっている件について、同プラットフォームを運営するValveは、「Mastercard」の件と同様の問題と認めた。
海外メディアRock Paper Shotgunが、Valveから回答を得たとして、記事をアップデートする形で報じている。
Valve explain why using PayPal for Steam purchases isn't currently an option in a whole bunch of countrieshttps://t.co/4d2RKYJZIo
— Rock Paper Shotgun (@rockpapershot) August 13, 2025
現在Steamにおいて、日本円、ユーロ、カナダドル、英ポンド、オーストラリアドル、米ドルの主要6通貨以外のPayPal決済が利用できなくなっており、ValveはPayPalが提携している「アクワイアリング銀行」(いわゆる加盟店契約銀行)が、対象通貨でのSteam関連取引の処理を停止したためとしている。
今回は、これに関連してValveは、海外メディアRock Paper Shotgunに対して回答をしており、以下のようにコメントした。
(訳者注釈:一部通貨での「PayPal決済」利用不可の件は)「Mastercardをめぐって我々が以前にコメントしたことに関連する、Steam上のコンテンツに関するもの」
「このケースでは、PayPalのアクワイアリングバンクのひとつが、すべてのSteam取引の処理を停止することを決定し、これにより多くの通貨でSteam上のPayPalが利用できなくなった」
Rock Paper Shotgun記事のValveのコメントを翻訳
このValveのコメントは、PayPal決済問題が、7月から騒ぎになっているSteamでの「成人向けゲームの削除」の延長線上にあることを認めた形となる。
7月中旬から下旬にかけて、Steamとitch.ioにて、相次いで「成人向けゲーム」が大量に削除されており、両プラットフォームとも、決済業者の影響を明言した。8月1日にはMastercard社が、声明を出して「ゲームを評価したり、クリエイターサイトやプラットフォームに制限を加えたことはない」と表明した。
しかしValveはそのすぐ後に、PC GamerやKotakuなどを通じて声明を出して、Mastercard社に接触を試みたものの「直接のコミュニケーションは認められなかった」とのこと。決済代行業者や銀行を通じてのやりとりが行われたという。(経緯のまとめはこちら)
今回の一部の国の「PayPal決済」の利用不可は、Mastercard社のときと事態の表面化は違うものの、その根っこには同様に「銀行」と「成人向けゲーム」を背景に決済方法が制限され、ゲームの販売規制に繋がっている状況のようだ。