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任天堂、今後も映像事業へ積極的に取り組むことを表明。映像制作会社「ニンテンドーピクチャーズ」は映画制作の組織というより、“新しいチャレンジ”と“研究”の場として、新たなコンテンツ資産の創出を目指す

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11月6日、任天堂は、「2026年3月期第2四半期決算説明会」の質疑応答の要旨を公開。同社の後継機「Switch 2」への開発リソースのシフトや、Nintendo Switch向けソフトの今後の展開、ハードウェアの販売戦略、映画・映像分野への取り組みなどについて、同社役員が見解を述べた。

質疑応答では、「ニンテンドーピクチャーズ」によるショートムービー「Close to you」公開を踏まえ、今後の映像作品の内製化について質問が挙がった。代表取締役フェローの宮本茂氏は、同スタジオは大規模な映画制作を主目的とするのではなく、映像分野での「新しいチャレンジ」と「研究」の実験的な場だと説明している。

代表取締役社長の古川氏は、映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』の成功を受け、映画・映像分野はゲームと非常に相性のいい娯楽の一つであり、任天堂らしいユニークな提案ができるのではないかと感じている、と述べた。

そのうえで、これまで以上に積極的に取り組みたい分野であるとし、映像を通じてファンが増え、いずれはゲームにも興味を持ってもらい、世代を超えた関係作りを進めたいとの考えを明らかにした。

宮本フェローは、映像制作を始めた大きな理由として、ゲームやIP、キャラクターに続き、任天堂が「資産として長く持ち続けられる娯楽体験」は何かを考えた結果だと説明。これまではインタラクティブ性にこだわってきたが、受け身のメディアである映像にも広げていくことを決めたという。

その制作体制については、自社の組織を過度に膨らませるのではなく、世界中の映像制作者と協力し、世界を一つのマーケットと捉えてコンテンツを開発していく意気込みを語った。

一方で宮本フェローは、ニンテンドーピクチャーズの具体的な役割についても説明した。同スタジオはビジネスとして確立された映画制作組織というよりは、「映像分野でもっと新しいチャレンジができないか」という考えのもと、自社で映像をつくり、研究を続ける組織であると定義した。

これは、ある程度収益性が見える映画とは異なり、「まだはっきりと見通しの立たないところ」に対しても様々なチャレンジをしていくことを意味するという。宮本フェローは、先日配信されたピクミンをテーマにしたショートムービー「Close to you」を、その考えのもと「実験的に制作した映像」の一例として挙げた。

同スタジオで「コツコツと作れる環境」を整え、世界中で話題になるものを提供し、それが任天堂の大事な「コンテンツ資産」になっていけばと考えていると述べ、温かく見守ってほしいと呼びかけている

なお、任天堂のIPを基にした映画作品としては、現在『ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー』(2026年4月公開予定)および『ゼルダの伝説』の実写映画(2027年5月7日公開予定)の2作品が発表されている。

ライター
物心ついたころからFFとドラクエと共に育ち、The Elder Scrolls IV: オブリビオンで洋ゲーの沼にハマる。 ゲームのやりすぎでセミより長い地下生活を送っていたが、最近社会にリスポーンした。 ローグライクTCG「Slay the Spire」の有志翻訳者。
Twitter:@Gre_zzz

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