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「開発陣も気づいていない“フェチ”を見つけてほしい」──紳士の間で定評のあるクリエイター、キム・ヒョンテ氏インタビュー。『勝利の女神:NIKKE』SHIFT UPの新作タイトル『ステラーブレイド』は、万人受けを目指した高難度アクションゲーム

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2019年に『Project EVE』というタイトルで発表されて以降、数多くの紳士の間で話題となっている韓国発のアクションゲーム『Stellar Blade』(ステラーブレイド)。『勝利の女神:NIKKE』で知られるSHIFT UPが開発を手がけるが、同社としては初の家庭用ゲーム機向け作品だ。

荒廃した未来の地球を舞台に、人類の敵を倒すために送り込まれた主人公・イヴの旅を描き、「世界で勝負できるひとつの完成された作品」を目指して制作されている本作。もしかすると、魅力的なキャラクターグラフィックや作りこまれた世界観など、一度でも目にした事があるという読者もいるかもしれない。

「初参入」という言葉を疑いたくなるような高水準のビジュアルを武器に家庭用ゲーム業界に殴り込みをかける本作だが、特筆すべきはそのゲーム性。とくに、高難度なアクションゲームであるにも関わらず誰でもクリアできるように意図されて設計されている点だろう。

一見、乖離しているようにも思えるこの特徴はどういった意図で取り入れられたのか。本作のディレクターを務めるキム・ヒョンテ氏、テクニカルディレクターを務めるイ・ドンギ氏にお話を伺った。

また、ゲーム内容とは直接関係ないが、主人公(イヴ)のビジュアルへの反響の大きさについてもお聞きできた。彼女に目を奪われているユーザーの多さについて、開発陣はどう捉えているのだろうか。

紳士の間で定評のあるクリエイター、キム・ヒョンテ氏インタビュー:『『ステラーブレイド』は万人受けを目指した高難度アクションゲーム_001
左からキム・ヒョンテ氏、イ・ドンギ氏

文/Squ
編集/竹中プレジデント


開発陣が気づいていない、みなさん自身の「フェティシズム」を見つけてほしい

──本日はよろしくお願いいたします! 正式リリースが4月26日に迫る本作ですが、とくに主人公(イヴ)のビジュアルに関して注目が集まっているように思います。こういった反響はプロモーション戦略において想定していたものなのでしょうか?

キム・ヒョンテ氏(以下、ヒョンテ氏):
イヴというキャラクターのビジュアルについては常に力を入れていた部分なので、想像より多くの方に気に入っていただけて感謝の気持ちでいっぱいです。

しかしながら、戦略という面から見ると、ここまでの反響があるとは思っていなかったのが正直なところです。

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──ここまでの反響があった理由についてはどのようにお考えですか?

ヒョンテ氏:
難しい質問ですね……。

私は昔から変わらず自分の描きたいものを描いてきたつもりですし、それを好きになってくださる方のために力を注いできました。そういった部分が、ゲームというひとつのエンターテインメントの中で受け入れて、楽しんでいただけたからなのかと思います。

──反響の大きさの一因として、主人公(イヴ)から感じるフェティシズム要素があるのではないかと思うのですが、フェティシズム要素を取り入れる点でこだわった点があれば教えてください。

ヒョンテ氏:
すべての人がそれぞれのフェティシズムを持っているはずなので、わざわざ我々が「ここがいいんだ!」と説明したりしないほうが面白いと思っています。

みなさん自身のフェティシズムを探求していただき、我々が気づいていないような部分まで「本作のフェティシズム」を見つけてほしいですね。

ただ、本作にはイヴのビジュアル以外にもアクションやバトルをはじめとした沢山の魅力が詰まっているので、プレイするか悩んでいる方たちにはそういったところにもぜひ注目してもらいたいです。

バトルは装備やスキルを増やすことでアクションを楽しめるようになる設計に

──では『Stellar Blade』のアクションやバトルについてお話をお聞かせください。バトルに関してはかなり歯ごたえのあるハードな内容だと感じている方も多いようです。

ヒョンテ氏:
本作は、なによりもバトル、とくにボスバトルにフォーカスした作品で、深みのあるアクションを追及してきました

最初は難しいと感じるかもしれませんが、装備やスキルを増やしていくことでより自由にプレイできるような設計をしています。実際、既に遊んでくださっているユーザーの皆さんも狙い通りの楽しみ方をしてくれているようですね。

そういった部分に注意しながら本作のゲームプレイに慣れていただくと、キャラクターや世界観、アクションといった部分を楽しむ余裕も出てくるのではないかと思います。

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──ということは、育成を進めることで、アクションが苦手な人でも楽しめる難易度に設計されているということでしょうか?

ヒョンテ氏:
もちろんアクションゲームが苦手な人もプレイできるよう想定済みです。高難度の作品とはいえクリアの手法は様々用意していますよ。

スキルや装備を拡張していきながら挑戦していただいてもいいですし、低難度のモードではアクションアシスト機能も用意しています。皆様それぞれでのプレイスタイルで楽しんでいただければと思います。

──高難度なアクションゲームとしての側面を持ちながらも、育成要素で攻略をしやすくなるというのはアクションゲームが得意ではない層からするとありがたい要素かと思います。

ヒョンテ氏:
そうですね。本作は特定のジャンルを意識した作品ではなく、幅広いユーザーに受け入れられるフレンドリーな作品を目指しました。

ユーザーが納得できなかったり理解できないという要素はなるべく排除していきたかったので、どんな方でも時間さえかければスキルや装備が手に入る設計になっていますよ。

あくまで幅広いユーザーのみなさんに楽しんでいただきたいという一心で開発を進めてきました。でも、やりこみ要素まで排除するといったことはしていないのでご安心ください

──やりこみ要素にはどういったものがあるのでしょうか?

ヒョンテ氏:
たとえば、装備の中にギアというものがあります

特定のギアを重ね掛けすることもできるのですが、スピード上昇のギアを3つ重ねて圧倒的なスピードで敵にコンボを叩きこむ攻めたプレイや、ジャストパリィやジャスト回避を出しやすくすることも可能になるんです。

これらを組み合わせることで、一見難しそうな技やコンボを簡単に決められるようになると思います。

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広い世界を探索し、イヴと冒険を楽しんでほしい

──バトル以外でぜひ注目してほしいポイントがあれば教えてください。

イ・ドンギ氏(以下、ドンギ氏):
バトル以外では、フィールドマップを探索する際に綱渡りや泳ぎ、壁走りといった特殊な移動アクションを必要とする場面が登場します。

これらはパズル的な要素としてマップの中に隠されていますので、そちらの探索も楽しんでいただければと思います。

ヒョンテ氏:
本作ではリニア的な1本道のフィールドのほかに、半オープンワールド的な側面を持ったフィールドが存在しています

オープンワールドゲームのような自由度の高いマップが用意されているわけではありませんが、フィールドの隅々までコンテンツを詰め込んでいます。とはいえ、見つけにくいようにしているつもりはないので気軽にマップを散策しながら楽しんでいただければと思います。

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──探索するうえで、ここに注目して欲しいというポイントがあればお聞かせください。

ヒョンテ氏:
おすすめしたいポイントはたくさんあるのですが、ひとつ選ぶとすれば豊富なサブコンテンツでしょうか。

本作では収集要素として衣装やヘアスタイル、アクセサリといったイヴ用のコスチュームが存在します。この広い世界を探索し、皆さんの思い思いのイヴと冒険を楽しんでほしいです。

少しだけヒントをお出しすると、ある特定のクエストで、特定のNPCと親密度を上げることでしか入手できないコスチュームなどもあります。そういった要素も頑張って探してみて下さい。

ドンギ氏:
そのほかにも、本作のストーリーの謎を紐解くような仕掛けや秘密がたくさん隠されています。ひとつひとつ見つけながらプレイしていただくとこの作品に対する理解度が大きくあがってくると思います。

────イヴとの冒険がさらに楽しみになりました。本日はありがとうございました!(了)

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高難度なアクションゲームでありながらも様々なアプローチによって幅広いユーザー層に向けて届けたいという確固たる意志を感じる『Stellar Blade』。ビジュアルに関する話題が先行しがちな本作だが、実際に遊んでみると、アクション部分の魅力をもっと知ってもらいたいという自分の感情が徐々に強くなっていた。

一方で、ゲームプレイに慣れてくるとイヴやタキといった登場人物の細部だけでなく、敵ネイティブやフィールドマップ、各地に配置されているメッセージといった世界を彩るフレーバーの部分に対する解像度が段々と上がってくる感覚を味わえるのも面白い。

遊び続けることで、ビジュアルとゲームシステムのどちらか一方が欠けても成り立たなくなってしまうかも。本作には間違いなく、そう感じさせるほど強烈なメッセージ性が込められているのだろう。

紳士なら一度体験しておくべきかもしれないアクションゲーム『Stellar Blade』はPS5向けに4月26日発売予定。進行状況を引き継ぐことのできる体験版も配信中なので、興味があればプレイしてみてほしい。

ライター
最近ゲーム業界にサメ映画ブームが来ている気が・・・え? 『スター・ウォーズ』のゲームが出すぎて手が回らない毎日。1日36時間欲しい。
サブデスク
美少女ゲームとアニメが好きです。「課金額は食費以下」が人生の目標。 本サイトではおもにインタビュー記事の編集を担当。
Twitter:@takepresident

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