2017年のスマホゲーム界では、「ターン制のブロック崩し」が全米で大ヒットしていました。
大量のボールを好きな角度で撃ち出すことができ、帰ってきたボールを打ち返す必要がない、遊びやすい新スタイルのブロック崩しです。
そのターン制のブロック崩しを、あの『クロッシーロード』や『Pac-Man 256』で知られるモバイルゲームメーカーHipster Whaleが公開しています。
『ぴっふる』(Piffle)です。
ターン制ブロック崩しは、スマホでは『BBTAN』というゲームの流行から始まり、アメリカでは『2048』で知られるKetchappが公開した『Ballz』が大ヒット、他にも数多くの模倣作が存在しています。
『BBTAN』や『Ballz』はクリアがないエンドレスゲームでしたが、それを『キャンディークラッシュ』のような短めのステージをクリアするスタイルに改めたものが『ぴっふる』です。
先行していた『BBTAN2』も同様のシステムなので、やはり模倣感は否めないのですが、今作の大きな特徴はキャラクターがかわいらしいネコになっていること。
いかにもあやしい『BBTAN』や、お洒落だけど地味な『Ballz』と比べると、とても親しみやすくて楽しげな雰囲気。
メッセージも日本語に対応していて、今から始めるなら間違いなくこちらの方がおすすめです。
アプリ本体は無料。課金も必須ではありません。
海外の無料アプリなので、強制動画広告があるのが玉にキズ。
しかし、そこまで頻発されるわけではありません。
ボール(猫玉)を投げてブロックにダメージを与え、破壊していくゲームです。
画面を押すと投げる方向を示す矢印が表示され、スライドで向きを調整し、指を離すと発射。
ボールは壁やブロックに当たると反射するため、うまくすき間に入れば何度も跳ね返り、連続でブロックにダメージを与えることができます。
ボールは一度に複数が投げ込まれます。
最初は7個前後ですが、アイテムを取るとどんどん増加、いずれ数十個のボールをまとめて投げられるようになり、耐久力が 20 や 30 あるブロックもまとめて壊せるようになります。
そのインフレしていく破壊力も、ターン制ブロック崩しの面白さです。
ブロック崩しですが、帰ってくるボールを受け止める必要はありません。
すべてのボールが帰ってくるとターンが終了し、ブロックが1段降りてきます。
ブロックを破壊しきれず、最下部まで到達してしまうとミスになり、ライフがひとつ減ってリトライとなります。
ライフの最大値は5で、20分でひとつ回復するスタミナ制。
ただミスしない限り減らない方式なので、序盤はほぼ気にせず遊び続けられます。
ステージが進行すると、移動ブロックや分裂ブロック、ネバネバブロックなど、さまざまなしかけが登場して手強くなります。
ただ、ボールの反射を確認できるサングラスや、破壊力のあるボーリングの玉、任意のブロックを破壊するハンマーなどのお助けアイテムを利用できるようになります。
お助けアイテムは課金要素と言えますが、クリア評価を貯めると得られる宝箱や、ログインボーナスからも入手でき、課金しないと使えないわけではありません。
手軽にテンポよく遊べるゲームですが、前述したように強制動画広告が難点。
たまにクリア時に出てくることがあり、全部見たところで何ももらえず、30秒の広告の場合はアプリを落として再起動した方が早いほど。
これがあるから無料になっているとも言えるのですが……。
スタミナ+強制広告は面倒なのが本音です。
とにかくポップで、キャラや演出のかわいい作品。
ターン制のブロック崩しは誰でも楽しめるゲームなので、女性や高齢の方にもすすめられます。
一方で、このスタイルはゲーマーでもハマれる中毒性があります。
ひとつのステージが短いため、エンドレス型である『Ballz』のように、手玉が百個以上になるような派手な展開にはなりません。
しかし、短時間で区切りが付くため、外出先でも遊びやすいのは利点。
なにより『クロッシーロード』のメーカーのブロック崩し。
クオリティが高く、このタイプのゲームとしては決定版と言えるでしょう。
ぴっふる
かわいくポップなターン制ブロック崩し
・ターン制ブロック崩し
・Hipster Whale / Mighty Games(オーストラリア)
・本体無料、広告あり
文/カムライターオ
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