海外メディア各社、ファミ通、電撃…E3初の一般公開にメディア関係者は何を思う?「歩くの困難」「試遊台少ない」「VRはまだ早い」【E3 2017:メディア関係者インタビュー】

1

2

 さて、ここまでは海外メディアのインタビューをお届けしてきたが、ここからは日本のメディア関係者に行ったメールインタビューをお届けしていきたい。

※国内メディア関係者の掲載は五十音順

メールインタビュー1:元電撃総編集長・江口聡氏

――今年のE3で注目したタイトルとその理由

江口聡氏(以下、江口氏):
 『Spider-Man』。話も少し聞いたのだが、現行のワールドワイドでの主流であるオープンワールドの最高傑作ではないかと思われる。デモプレイでもその内容を垣間見ることができた。同様の内容で、『Days Gone』も。

――今年のE3をふり返ってみて、思ったこと/感じたこと

江口氏:
 まず、メディアと言われる事、モノの変化。今回、一般客が入場できYouTuberがこぞって映像をあげ、メーカーによっては彼らを招聘してまで情報を伝えさせていた。これが、この先日本でも起きるかは分らないが、イベントをメディアとして伝える意味と独自性が今後は必要であると思った。

 タイトルの絞り込みが堅調だった。(プラットフォーマ―以外)これまで、中心タイトル以外も今シーズンに投入する複数タイトルを展示していたのだが、1〜2タイトルに絞ってアピールしているように見受けられた。制作コストやセールス規模からという感じも見受けられたが、(個人的な意見だが)タイトル自体を絞って制作しているように見受けられた。

 また、続編タイトルが大変多い傾向もあり、新しいことやモノを伝えるメディアとしては、やりづらいラインナップ編成になっている。このことは、言い換えると、ゲーム事業からコンテンツ事業にシフトしようとしている(成功したIPを増産すると同時にコンテンツとしての広がった展開を行おうとしている)のではないかとも思えた。

――E3関連の記事で、一番読んでほしい自サイトの記事を教えてください。また、一番良かった(あるいは、悔しいと思った)他サイトの記事があれば教えてください。

江口氏:
 特にないが、つたない英語を駆使して海外メディアを見てみると、かなり突っ込んだ発言や憶測を交えた発言が多く、日本のメディアには出来ていない内容は、悔しいと毎回思う。

メールインタビュー2:電撃PlayStation・西岡美道氏

――今年のE3で注目したタイトルとその理由

西岡美道氏(以下、西岡氏):
 『モンスターハンター:ワールド』です。14年目にしてシリーズで初のフルモデルチェンジ、しかもそれが世界を意識したもので、デビューもE3のPSカンファレンス「PlayStation E3 Media Showcase」でのサプライズ。PSカンファレンスで流れたゲームの映像の中でも異質に感じられたのは世界に出て行ってもオリジナル性が高いからだと思います。

 3DSからいきなり現世代機のゲームとしてチャレンジするというのも大きな冒険ですが、E3会場で見ることができた2種類の実機プレイデモ(カプコンブースではシングルプレイ、SIEAブースでは協力プレイ)からは、きっちりと高いレベルで仕上げてきているのを確認できました。

 ゲームとしては、モンスターがいなければフィールド探索ゲームになるので、戦う相手となるモンスターが最大の肝になりますが、モンスターの動きがこれまでのようなパターンではなく、生きている動物のように感じられました。強大な生物を創造し、動きをAIでシミュレーションして、その生物と死力を尽くして戦うという、かつてないゲームにわくわくします。そしてそれが世界にどう受け入れられるのかも見届けたいです。

――今年のE3をふり返ってみて、思ったこと/感じたこと

西岡氏:
 続編や、2回目のE3を迎えたタイトルも多かったのも理由ですが、新規性を打ち出しているタイトルが少なかったように思いました。グラフィックや表現の自由さという点では、今年もインディーゲームが魅力的に映りました。

 とはいえAAAタイトルが退屈というわけではなく、規模とグラフィックで圧倒的な安心感があり、ゲームファンはAAAタイトルに熱狂的に見えました。とくにSIEの『Spider-man』は圧巻だったように思います。いくつか行われたカンファレンスのなかで個人的に一番よかったと思うカンファレンスはUBIカンファレンスでした。個性的な新作をいくつも発表したうえで、『FAR CRY 5』の具体的なゲーム内容も披露して、E3でのカンファレンスにあわせて周到な準備をしてきた感じがとてもしました。

 また、宮本茂さんが登場してきたときに、誰も指示を出したわけでもないのにスタンディングオベーションで観客が迎え入れたときは、取材の場でしたが、感動してしまいました。E3全体を振り返ると、E3の前にメーカーがタイトル発表をすることが多くなり、E3というイベントに話題性が飲み込まれたくないものに関しては、E3をはずして発表されているように思います。(先にタイトル発表をしてE3での集客につなげるという意味もある)EAは昨年からE3とは別会場で独自の試遊イベントを開催していたり、大手メーカーは自社タイトルのファンを大事にする傾向があります。

 今年から一般のお客さんが有料チケットを購入してE3に入れるようになりましたが、来年ももし同じ、もしくは拡大するのであれば、各メーカーがよりファン重視の施策をうってくることは想像がつきます。カンファレンスも、E3会場からも大量の配信があり、来場しなくても世界中に情報は流れています。

 来場する意味というところでは、ゲームファン重視になる傾向は必然なのかなとも思います。

 ただEAのように、E3とは別の場所で各社がファンイベントを実施するとなると、E3自体の意味がさらに危うくなるので、各社の足並みが気になるところではあります。

――E3関連の記事で、一番読んでほしい自サイトの記事を教えてください。また、一番良かった(あるいは、悔しいと思った)他サイトの記事があれば教えてください。

西岡氏:
 SIEAプレジデント、WWSチェアマンのショーン・レーデンさんのインタビューです。WWSとして自社IPの二次利用を積極的にしていく、その組織も準備しているという発言があり、これはSIE全体にかかわることで重要な発言に思いました。

PlayStationのキーマンが語るPS4。IPを映画などに展開するために組織を変える。【E3 2017】

メールインタビュー3:(善)力疾走・西川善司氏

――今年のE3で注目したタイトルとその理由

西川善司氏(以下、西川氏):
 『グランツーリスモSPORT』と『Forza Motorsport 7』。両方同じ年に出るのってあんまりない気がします。というか、『グランツーリスモ』が1プラットフォームあたり二作しか出ないペースなので、その関係かと思います。

――今年のE3をふり返ってみて、思ったこと/感じたこと

西川氏:
 一般の人(黄色いバッジ)が多くて混雑していた。ソニーブースは予約サイトがおかしな作りで、受付時間外に予約を入れてしまうと、エラーで弾かれるのはいいんだけど、以降、もう「あんたはもう予約しているからもう予約できない」というエラーに陥って予約できなくなるバグにハマって使い物にならなかったです。

 あと、マイクロソフトのブースが日本のメディアに対する特別枠みたいなのを作ってくれないので、ほとんど取材・プレイができない。これって3年前からずっとなんだけど、なんとか改善されないものか。ごく僅かのティアワン? メディアの枠はあるようだけど、我々のような日本人のフリーはマイクロソフトブースを事実上、取材出来ないですね。今回は色んな裏技を使ってなんとか対応しました。

――E3関連の記事で、一番読んでほしい自サイトの記事を教えてください。また、一番良かった(あるいは、悔しいと思った)他サイトの記事があれば教えてください。

西川氏:
 4Gamer.netのリストを見てください。

メールインタビュー4:フリーライター/ジャーナリスト・西田宗千佳氏

――今年のE3で注目したタイトルとその理由

西田宗千佳氏(以下、西田氏):
 VR的には『The Elder Scrolls V: Skyrim VR』。素直にやってみたい。ビジネス的には『モンスターハンター:ワールド』。日本でのユーザー動向は当然として、海外でのヒットが叶うかいなかが気になる。少なくとも発表会や会場では人気だった。

 タイトルでは『Detroit Become Human』。自分がさほどFPS系に興味がないので、どうしてもこうしたタイトルに目がいってしまう。もう一本挙げるとすれば『Anthem』。FPS的なゲームの中では、グラフィックやゲームメカニズムとして、次の基準はこうなるのだろうなあ、という印象が強い。

――今年のE3をふり返ってみて、思ったこと/感じたこと

西田氏:
 E3がなんのためにあるのか、ゲームだけでなく「巨大イベントは、誰のために、なんのためにあるのか」が非常に問われており、それが明確に出たイベントだったと感じる。

 プレスカンファレンスも、メディア的な視点だと「トレーラーを流してもニュースにはならないしつまらない」という感想になるが、ゲームファンはワクワクしたはず。ハードがあるかないかはニュース的な観点に過ぎず、やはりゲームファンが望んでいるのは「面白いゲームとの接点」。そういう意味では、今年のE3は活気があったし、ファンには楽しいものだったろうと思う。

 一方で、「来場したファン」よりも「ニュースやストリーミングを見ていたファン」の方が楽しかったのではないか、と感じてしまうのも事実。コンシューマー向けのイベントにするなら、それなりの配慮が必要で、それができていたとは思えない。

 かといって、大手がバラバラに独自にイベントをやればそれで済むものでもなく、「各社が一同に会するお祭り感」がある種のイメージを作る必要がある。それをどう作るかが、これからの巨大イベントに求められるものになるだろう。

――E3関連の記事で、一番読んでほしい自サイトの記事を教えてください。また、一番良かった(あるいは、悔しいと思った)他サイトの記事があれば教えてください。

西田氏:
 自分の記事としてはBUSINESS INSIDER JAPANに書いた記事を。私はゲームファン向けというより一般のビジネスパーソンに向けてゲーム業界のことを語る記事の方が多いので、この記事も完全にその視点。まず日本では「eスポーツとは、ゲームのプロが賞金を競うもの」という非ゲーマーからの誤解を解くところから始めねばいけないのではないか、と思っている。

黄金期到来も”変質”するゲーム市場 —— eスポーツ現象の本質を理解したメーカーが勝つ[E3 2017]

 悔しかったのは、電ファミさんの以下の記事。ちょうど自分も同じ感想をもっていたし、そういう話をまとめようとしていたところなので……。

世界最大級のゲームショウE3も、見本市から「ユーザーイベント」へ。激変する「ゲームショウ事情」とWebメディアの果たすべき役割を取材しつつ考えてみた【E3 2017】

メールインタビュー5:週刊ファミ通・林克彦編集長

――今年のE3で注目したタイトルとその理由

林克彦氏(以下、林氏):
 『モンスターハンター:ワールド』対応ハードの変更、日本を含めた世界市場における本格展開に伴い、開発チームが、これまでできなかったこと、見直したかったこと、やりたかったことを徹底的に議論・開放して、『モンスターハンター』らしさは損なわず、それでいて新しい『モンスターハンター』になっていると感じた。

 本作には、これまで以上に雄大な世界があり、これまで以上に深い生態系や自然があり、それらすべてを活用した狩りが楽しめる、と考えただけでワクワクする。素直に、発売が楽しみで、早く遊びたいともっとも強く感じたタイトル。別の視点では、『モンスターハンター:ワールド』は言うまでもなく日本のAAAタイトルだが、世界のAAAタイトルになってほしい。その意気込みで制作されているし、PSカンファレンスの発表では歓声、拍手が起こり、カプコンとSIEブースのシアターは常に満員だった。上々のお披露目だったと感じる。

 もちろんゲームのクオリティーが最重要だが、そのうえでカプコンとSIEが連携して、徹底的に期待値を高めてほしい。そして、大成功してほしい。販売本数がワールドワイドでどこまで伸びるかは、やはり注目だろう。

――今年のE3をふり返ってみて、思ったこと/感じたこと

林氏:
 総合的に見て、サプライズが少なかった。例年以上に、「知らないタイトル」よりも「知っているタイトル」の割合が多かったな、と。

 各社が独自の施策でタイトルを発表したり、タイトルの発売時期がホリデーシーズン偏重でもなくなってきていたり、ユーザーコミュニケーションがより重視されるようになっていたりといった、いまの時代らしいいくつかの理由が、サプライズが減った要因としてはある気がする。加えて、今年は多くのメーカーが「仕込みの時期」のような雰囲気もあった。

 あと、一般来場者を迎えいれた初めてのE3だったが、各メーカーのブース構成は従来どおりで、一部メーカーを除くと一般来場者向けの施策は少なく、メーカー・タイトルと距離感が近いイベントにはなっていなかったように感じる。(もちろん、試遊台はどれも大盛況で、その点の満足度は高かったと思うのだけど)

 結果的に、E3の価値はちょっと落ちているとも感じるけど、なんだかんだ言いながら、世界でもっとも規模が大きくて、ゲームメディア、ゲームファンの注目度が高いことも確か。やっぱりお祭り的に盛り上がりたいし、来年はもっと盛り上がってほしい、と切に思います。

――E3関連の記事で、一番読んでほしい自サイトの記事を教えてください。また、一番良かった(あるいは、悔しいと思った)他サイトの記事があれば教えてください。

林氏:
 カンファレンスも新作PVも会場の様子も、ほとんどが配信されてリアルタイムでチェックできて、速報の価値も下がっているいま、現地まで足を運んでいるからこその記事をどれだけ企画できるかが大事だと思っています。

『オーバーウォッチ』好きの彼女とE3デートだと!? 初の一般公開で会場に押し寄せた“ゲーマーカップル”達が爆発する前に突撃取材してみた【E3 2017:来場者インタビュー】

 たとえば、電ファミさんのこの企画はおもしろいです。僕らも余力があったらやりたかった(笑)。電ファミさんが海外メディアに取材しているとき、ファミ通は一般来場者に話を聞いていたのですが、そういった、現地発信の記事をいかに増やすかは来年以降の大きな課題です。現地の盛り上がりをダイレクトに伝えられる、動画ももっと活用したい。

 ちょっと内部スタッフ向けのコメントになりますが、今回ピックアップした記事は、大塚角満にしか書けないけど、これくらい自由に書いたっていいんだよ、という意味でいいお手本だと思います。

大塚角満が見た『モンスターハンター:ワールド』【E3 2017】

メールインタビュー6:PANORA VR・広田稔氏

――今年のE3で注目したタイトルとその理由

広田稔氏(以下、広田氏):
 VRだけ、しかも全部PS VRですが……。
 『Bravo Team』。PS VRのタイトルでシューティングコントローラーを使うカバーシューティング。物陰に隠れつつ銃で敵に応戦して突き進んでいくというのを2人プレイで喋りながら楽しめるのがいい感じ。VRでFPSというと移動にめちゃくちゃ酔いそうだが、そこはかなり工夫している。物陰などの移動できる場所に現れる盾のマークを銃で選んで移動を指示すると、一人称から三人称に切り替わってプレイヤーキャラが動くのを後ろで見ていて、目的地に着いたら視点が一人称に戻る。このことにより、単純なワープよりも「自分が動いた」という感覚を得られる。360度戦場なのはまさに恐怖がビンビン伝わってくるし、PS VRシューティングコントローラー対応タイトルの可能性をすごく感じた。

2人の協力プレーで戦場を駆け抜ける快感! PS VRガンシューティング「Bravo Team」を試遊【E3 2017】

 『Star Child』。女の子のキャラを導いて、道中にある謎を解いて先に進むPS VR向けのパズルゲーム。PVでは分かりにくかったのだが、実際にVRを体験してみてわかったのが、細部まで作り込まれたゲームの世界観を体感できるというのが真髄だ。細部まで作り込んであるメカ、足元に生えた草、光って群れで飛ぶ生物、そしてその世界を進む女の子──。感覚としては、ミニチュアを眺めているのに近い。開発元はOculus Riftのローンチタイトル「Lucky’s Tale」を手がけたPlayfulときけば、その世界の作り込みの細かさにピンとくる人もいるはず。なんでも、宮崎作品のファンだそうでメカメカしい部分はその影響を感じた。

 『Sparc』。VR空間で球を投げ合うスポーツゲーム。ルールはお互い1つの球を与えられるので相手に投げてぶつければ1ポイント。制限時間までにポイントが多い方が勝ちというもの。球を投げているだけでもかなり楽しくて、ゲームセンターのエアホッケーを思い出した。ロケーションベースドVRで展開してもいけそう?

エアホッケーのような打ち合いに超燃える!! VRスポーツ「Sparc」をPS VRで先行体験してきた【E3 2017】

――今年のE3をふり返ってみて、思ったこと/感じたこと

広田氏:
 元年が過ぎた「VR2年」で、徐々にコンテンツが増えてきたということを実感しました。しかし、スマホアプリから予約できるPSVRの体験チケットが今年も瞬殺、ベセスダブースはVRでは4時間以上待って体験する人もでてくるように、なかなかかぶれるチャンスがない……。VRは知識よりも圧倒的に体験が重要にもかかわらず、コンシューマー向けの体験イベントが目立っていないのが辛いところなので、もっとそこが強化していけるとVRの魅力が伝わるのではと思いました。蛇足ですが、コンソールではMSがXbox向けにVR対応を何も言及せず、任天堂も特にナシというのがちょっと寂しいですね。

――E3関連の記事で、一番読んでほしい自サイトの記事を教えてください。また、一番良かった(あるいは、悔しいと思った)他サイトの記事があれば教えてください。

広田氏:
 SIE WWSの吉田さんのインタビューは、PS VRの供給体制や今後出てきそうなコンテンツについて詳しく書いてあるので、ぜひチェックしてほしいです!

VRはハードからコンテンツの時代へ──SIE WWS吉田氏に聞くPlayStation VRの今(前編)

オススメの新作PS VRタイトルは?──SIE WWS吉田氏に聞くPlayStation VRの今(後編)

メールインタビュー7:ファミ通App・目黒輔編集長

――今年のE3で注目したタイトルとその理由

目黒輔氏(以下、目黒氏):
 『モンスターハンター:ワールド』。PV公開後、海外メディアにも大歓声で受け入れ、メイドインジャパンタイトルがまだまだグローバルでも通用することを肌で感じられた。別機会にマルチの実機プレイも観させてもらったが、シームレスにつながるフィールド、目の前で繰り広げられる大型モンスターの死闘、それによって豪快に崩れる崖、予想のはるか上行く内容で、注目度はさらに高まった。

――今年のE3をふり返ってみて、思ったこと/感じたこと

目黒氏:
 数年ぶりにE3を取材したが、カンファレンス開催前の行列でさえも、スマホゲームをプレイしている人を見かけることはほとんどなかった。これが日本だったら行列のほとんどの人がスマホに目を向けているであろうに。逆に海外の人はどこでスマホゲームを遊んでいるのだろうか?(笑)

 会場でもスマホゲームを出展しているメーカーはほとんどなく、スマホゲームメディアの我々はネタ探しに奔走。苦労はしたが、日本市場が特異であることを感じられたとともに、家庭用ゲーム機に注目が集まることは業界人として素直に喜ばしい。

――E3関連の記事で、一番読んでほしい自サイトの記事を教えてください。また、一番良かった(あるいは、悔しいと思った)他サイトの記事があれば教えてください。

目黒氏:
 取材もののリポートは情報が一線のため差別化が難しく、各メディア、スピード勝負になりがち。もちろん読者の皆さんには有力情報を瞬時に届けるために尽力するが、大塚さんのような原稿は興奮のあとに余韻に浸れるような、そんな魔力をもっていると思う。そのジャンルで一過言ある人がきちんと文章や映像で表現する。こういった唯一無二のコンテンツがメディアの色を出していく、と当たり前のことだけど改めて感じられた。

大塚角満が見た『モンスターハンター:ワールド』【E3 2017】

 あまりチェックできてないし、記事ではないが……。競合メディアのTwitterアカウントはほとんどフォローしていると思うけど、発表会での速報的なつぶやきに関してはAUTOMATONというメディアが圧倒的に早かったように思える。スピード勝負は勝つ! といった意気込みが感じられたような(笑)。

 あと感じたことは、日本のメディアで、映像でリポートしているところは少なく、来年以降はもっと力を入れていいのかなとも感じた。


 以上で、各メディア関係者へのインタビューは終わりとなるが、いかがだっただろうか。
 様々なゲームメディア、ジャーナリストたちの意見がここまでまとまる機会はそうそうないが、見ているものや感じていることは、やはり同じ。特にゲームショウというものが一般向けのイベントという方向に進んでいる昨今において、ゲームメディアの役割や求められるものは変化してきており、我々はその対応を迫られている。

 また、個人的にとても興味深かったことは、とくに海外メディアの面々が、総じて日本のゲームには「ユニークさ」を求めていた、という点であるかもしれない。
 マリオやポケモン、ゼルダなどといった任天堂のゲームについてもすらも、ハイエンドなゲームというよりは、そのユニークさ(唯一無二さ)に着目しており、そのオリジナリティこそが日本のゲームの特徴と捉えている人が多かったように思う。そんななか、満を持して発表された「モンスターハンター:ワールド」が、世界でどう評価されるのか。今後もその動向に注目していきたいところだろう。

 ともあれ。
 かれこれ10年以上もE3を取材してきた筆者であるが、今回は、初めて「ゲームの取材をしない取材」であった。これはこれで、いろいろと勉強になる経験であったわけだが、とくに印象的だったのは、やはり一般参加のゲーマーたちの、その熱量である。なんというか、その目の輝かせよういったら……!
 そう、自分もはじめてE3に取材にきたときは、同じように目を輝かせて、ワクワクしながら記事を書いていたものだった。ユーザーも発信者であるいま、彼らに負けない熱量で記事を書いていかなければ、ますます「ゲームメディア」の存在価値なんてなくなってしまう。そういう“原点”を再び思い起こさせてくれた意味でも、今年のE3は、新しい時代に向けた第一歩を踏めた内容——いろいろ課題はあるにせよ——であったように思う。

関連記事:

世界最大級のゲームショウE3も、見本市から「ユーザーイベント」へ。激変する「ゲームショウ事情」とWebメディアの果たすべき役割を取材しつつ考えてみた【E3 2017】

『オーバーウォッチ』好きの彼女とE3デートだと!? 初の一般公開で会場に押し寄せた“ゲーマーカップル”達が爆発する前に突撃取材してみた【E3 2017:来場者インタビュー】

『CoD』ゾンビモードを毎週遊ぶおじいちゃん、マリファナ吸ってゲームする若者…“ぶっ飛びすぎ”な海外ゲーマーたちに迫る【E3 2017:来場者インタビュー】

著者
電ファミニコゲーマー編集長、およびニコニコニュース編集長。
元々は、ゲーム情報サイト「4Gamer.net」の副編集長として、ゲーム業界を中心にした記事の執筆や、同サイトの設計、企画立案などサイトの運営全般に携わる。4Gamer時代は、対談企画「ゲーマーはもっと経営者を目指すべき!」などの人気コーナーを担当。本サイトの方でも、主に「ゲームの企画書」など、いわゆる読み物系やインタビューものを担当している。
Twitter:@TAITAI999
インタビュアー
新聞配達中にトラックに跳ね飛ばされたことがきっかけで編集者になる。過去に「ロックマンエグゼ 15周年特別スタッフ座談会」「マフィア梶田がフリーライターになるまでの軌跡」などを担当し、2017年4月より電ファミニコゲーマー編集部のメンバーに。ゲームと同じぐらいアニメや漫画も好き。
Twitter:@ed_koudai

1

2

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事に関するタグ

関連記事

SNSで話題の記事

新着記事

新着記事

連載・特集一覧

カテゴリ

ゲームマガジン

関連サイト

脳ゲーマー ヒデヲ
若ゲのいたり

カテゴリーピックアップ