『クロノ・トリガー』の幻の続編『クロノ・ブレイク』がもし発売されていたら? ピクセルアートの鬼才である『Owlboy』開発者が想像して描いた素敵な2Dドット映像が公開

 『Owlboy』のクリエイターであり、ピクセルアーティストのSimon S. Andersen氏が、『クロノ・トリガー』シリーズの幻の続編だったと言われる『クロノ・ブレイク』の内容を想像したファンメイドのトレイラーを公開した。

 トレイラーは『Owlboy』を手がけたAndersen氏の腕前が存分にふるわれており、高精細なピクセルアートで伸び伸びと世界観が描かれている。アートスタイルは『クロノ・トリガー』を強く想起させる内容だ。
 この映像は2ヵ月間をかけてファン向けに制作されたモックアップ映像で、実際にゲームが開発中ではあるわけではないが、その出来は見ているだけでわくわくするレベルと言えるだろう。

 映像では真っ先に『クロノ・トリガー』のOPで印象的に使われた時計の振り子が同様の演出で画面を横切り、さらにトルース村の裏山や魔法王国ジールを思い出す切り立った崖が登場。
 下の方に見える工場のある島や、魔王の鎌のような武器を持つ主人公風の青い髪のキャラクター、ロボットを背負ったルッカによく似た髪の色のキャラクターも登場する。

 他にも飛行機能を持ったシルバードと同型機と思われる戦闘機を伴った編隊や、ゼナンの橋によく似た橋など、特に『クロノ・トリガー』ファンが見ると大喜びできそうな場面も。
 同じファンが作ったものなので元ネタを考えたり、あるいはどういった思いで制作されたか思い浮かべながら見てみるのも一興だろう。

(画像はYoutube | Chrono Break Trailerより)

 このトレイラーが作られる契機となった『クロノ・ブレイク』とは何だったのか少し振り返っておこう。

 『クロノ・ブレイク(CHRONO BREAK)』は、2002年ごろにスクウェア(現スクウェア・エニックス)によって日本、欧州、米国で登録された商標名だが、現在はすべて失効している。2006年にはGame Spotのインタビューで、坂口博信氏が新たなクロノシリーズの制作に前向きな姿勢を示すなど、本格的な続編の開発への期待が高まっていった。
 しかし、その後は開発が公に発表されることなく、続編を開発すると思われていた1999年発売の『クロノ・クロス』の開発チームからもスクウェア・エニックスを離れていくスタッフが増えていった。結局のところ、続編と思われていた『クロノ・ブレイク』の名前は、現在も日の目を見ていない。

 ただし『クロノ・ブレイク』は2017年にも話題となり、『クロノ・トリガー』でディレクションを担当した時田貴司氏IGNのインタビューで、『ファイナルファンタジー レジェンズ 時空ノ水晶』『クロノ・ブレイク』のオリジナルコンセプトをベースに作っていると答えている。

(画像はYoutube | Chrono Break Trailerより)

 ファンメイドの活動に目を向けると、海外では2004年に『クロノ・トリガー』リメイクプロジェクトである『Chrono Resurrection』が始動したが、こちらは版権元であるスクウェア・エニックスからライセンスを得ずに勝手に開発が始まったファンプロジェクトであり、2004年に警告を受けて開発が中止になった。
 ただ今回の映像は、原作のBGMが使われていたり、Patreonなどで活動資金を集めるために公開されているのではなく、あくまでひとりのファンが想像した続編の世界を提示する映像に留まっている。

 多くのファンを引きつけた名作の日の目を見ることのなかった新作という存在は、『クロノ・クロス』が発売されてからもうすぐ20年が経つ今でも、ファンたちの心のどこかに引っかかり続けている。

文/古嶋 誉幸

ライター
一日を変え、一生を変える一本を!学生時代Half-Lifeに人生の屋台骨を折られてから幾星霜、一本のゲームにその後の人生を変えられました。FPSを中心にゲーム三昧の人生を送っています。
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