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サイバネ忍者が主役のメトロイドヴァニア『Bushiden』キックスターターキャンペーン開始。1対多数の戦いを大きくフィーチャーした2Dアクションゲーム

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 Pixel Arc Studiosは2Dアクションゲーム『Bushiden』Kickstarterキャンペーンを開始した。1か月で7万ドルの調達を目指す。これまでは音楽の収録されていない簡素なトレイラーが公開されるのみだったが、本格的なゲームプレイトレイラーも公開されている。

 『Bushiden』はメトロイドヴァニアに影響を受けた2Dアクションゲーム。タイトルは「武士伝」だが、主人公は忍者だ。「伊賀龍一族」最後の生き残りである主人公Reyleeが、さらわれた妹を探し出し、復活した宿敵Gaohを倒すために旅立つ。

 世界設定は未来となっており、敵はロボットやサイバネ技術で生み出された生物だ。対する主人公も、伝統的な忍術だけでなくサイバネ技術を用いた武器を使うこともできる。忍者らしい軽快なステップで足場や罠を乗り越え、刀や手裏剣、気の力を使って大量の敵を相手にする「クラウドコントロール・コンバットシステム」で戦う。

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(画像は『Bushiden』公式サイトより)

 『Bushiden』はプロローグと6つの通常ステージ、そして最終ステージで構成されている。本編の6年前となるプロローグで宿敵Gaohと戦った後、通常ステージを自由に選んでボスを倒し、復活したGaohの待つ最終ステージに挑む。

 メトロイドヴァニアといえば広大なマップを探索することが特徴となる傾向にあるが、本作は『ロックマン』シリーズのように独立したマップを選択するようだ。だが、メトロイドヴァニアらしく、ゲームを進めると主人公はさまざまな能力を得ることができる。
 通常ステージのボスを倒すと新たな能力を得られる。新たな攻撃方法だけでなく、電流が流れる床を無害化したり、重力を変動させるスイッチを使えるようになるといった、探索範囲を広げる能力も存在している。
 各通常ステージを一回だけクリアーすれば最終ステージへのアクセスできるが、対応する特殊能力を得た状態で通常ステージにもう一度挑むと、それまで行けなかった場所へも行けるようになる。

 新たに得られる5つの特殊能力はすでに公開されているが、5000ドルの支援者にはプロデューサーとして最後のひとつの能力のデザインに協力する権利が与えられる。戦闘向け、マップ探索向け、あるいはその両方。ゲームをつまらなくするようなものでなければ、どのような能力でも許容されるようだ。
 探索することなく最終ボスまで進めばプレイ時間は6時間程度だが、マップのすべてを探索しながら進めば12時間程になるという。

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(画像は『Bushiden』キックスターターページより)

 このゲームの大きな特徴である「クラウドコントロール・コンバットシステム」は、1対多数での戦いを有利に進めるための戦闘システムだ。
 攻撃の基本となる3連続攻撃は、成功すれば相手をノックダウンできる。最後の一撃がヒットするときに方向キーを入れると、任意の方向にも攻撃ができる「アタックエリアフィニッシャー」が発動する。コンボ中に背後から敵に接近されそうになったときは、手裏剣を投げて相手をスタンさせる「コンボシュリケンスロー」を使うこともできる。また、コンボをキャンセルして相手の攻撃を回避するドッジロールも用意されている。

 これら3つのコンボオプションは簡単で覚えやすい操作で発動でき、敵AIはこのシステムの使用を前提にデザインされている。コンボでは防ぎきれない数の敵に囲まれたときはChi Spell Attacksという忍術を使うこともできる。気の力は消耗品であり、一部は敵の落とすお金を使って購入できるが、その他はマップを探索して見つけ出さなければならない。敵集団に対して甚大な被害を与えることができるが、それだけに回数に制限が設けられている。

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(画像は『Bushiden』キックスターターページより)

 音楽は『VA-11 HALL-A』の音楽を手がけたMichael “Garoad” Kelly氏が制作する。Kelly氏のBandcampではすでに本作のサウンドトラックが5曲公開されている。音楽は各ステージに2曲ずつ用意されているという。

 『Bushiden』は一見したところ『ストライダー飛竜』の影響が強く見られるが、各ステージのボスから特殊能力を得て探索範囲を広げる部分で『ロックマン』シリーズやメトロイドヴァニアの影響も色濃く見える。ピクセルアートで描かれる90年代風の少し懐かしい見た目でメトロイドヴァニアという、近年の2Dアクションのひとつの潮流を踏襲したゲームだ。

 音楽はすでに述べたとおりKelly氏への外注だが、ゲームの大部分はPixel Arc StudiosのTim Jonsson氏とChris Crawford氏の2人で制作されている。2017年に発表されてから自己資本を使って1年間エンジンや開発ツール、主人公のモーションやコアとなる戦闘システムを開発してきた。
 今後はステージの最後を飾るボスとの戦闘、そして個々のステージを個性付ける新たなアセットや固有の敵を追加していく作業に入るという。

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(画像は『Bushiden』キックスターターページより)

 なお集めた開発資金については、そのほとんどがアートとアニメーションに使用されるようだ。ゲーム開発では問題が付きものであり、必ずこの通りに使用されるとは限らない。しかしこれまで自己資本で開発してきたデベロッパーの、ゲーム開発への真摯な姿勢と見ることはできるだろう。詳細は目標金額を集められそうになってから公開となるが、ゲームをさらに拡張するストレッチゴールも用意されている。

 『Bushiden』のリリースは2020年8月を予定しており、通常価格は19.99ドルだ。現時点ではPC、PlayStation 4へのリリースが予定されているが、可能な限り他のプラットフォームでもリリースしたいとしている。

文/古嶋誉幸

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ライター
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一日を変え、一生を変える一本を!学生時代Half-Lifeに人生の屋台骨を折られてから幾星霜、一本のゲームにその後の人生を変えられました。FPSを中心にゲーム三昧の人生を送っています。

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