1985年、国内では定価4900円(税別)にて販売されていたファミリーコンピュータ向けゲーム『スーパーマリオブラザーズ』。海の向こうでは、同作の激レアカセットが2000倍以上となる10万150ドル(約1106万円)にてオークションで落札されたという。アメリカ最大級のオークションハウス「ヘリテージオークション」は、格付けされた鑑定済みゲームとしては史上最高額の記録であると公式サイトにて伝えている。
ゲームコレクターによって起業された「Wata Games」は、カートリッジや外箱における希少度や品質を格付けする企業で、今回の激レア『スーパーマリオブラザーズ』の鑑定も担当している。同社によれば、まず北米向けファミリーコンピュータであるNintendo Entertainemnt System(NES)版『スーパーマリオブラザーズ』には、11種類のパッケージバリエーションが存在するという。
その中でも1985年にニューヨークとロサンゼルスで試験販売されたバージョンと1986年に販売されたバージョンの2種類は非常に希少で、パッケージの開封部に「ステッカー・シール」が貼り付けられているのが特徴となっている。
今回売却されたものは、『スーパーマリオブラザーズ』の「ステッカー・シール」パッケージにおいて初めて確認されたもので、等級は「A++」とされている。さらに、未開封である上に、個別包装がされないバージョンであり発売が30年以上が経過しているにもかかわらずパッケージの破損や摩耗がほとんど見られず、品質は「9.4/10」という高い等級が付けられた。加えて本作がゲーム史において象徴的な『マリオ』の代表作ということもあり、複数の条件が重なったことで落札価格は一気に跳ね上がったようだ。
この『スーパーマリオブラザーズ』は2月6日に10万150ドルで売却されており、個人ではなくコレクターのグループが購入したとされている。購入者のなかには、今回この売買を発表したヘリテージオークションの設立者であるジム・ハルペリン氏、レトロゲームショップ「Just Press Pay Video Games」のオーナーであるザック・ギーグ氏、コインディーラーでありゲームコレクターとしても有名なボーカー・ラトーン氏が名を連ねている。
ヘリテージオークションでは、今年1月からWata Gamesが鑑定したビデオゲームのオークションが実施されている。ハルペリン氏は、将来的にいつか今作がオークションにふたたび登場するかもしれないが、少なくとも直近のオークションでは出品されないと説明する。
今回のようにオークションでビデオゲームが高額で落札されるのは初めてではなく、2014年には116本のみが大会参加者に配布されたという幻のゲーム『Nintendo World Championships』が9万9902ドル(約1103万円)で落札され、話題となった。
文/ishigenn