Android/iOSで遊べる本格ローグライクRPG『ドラゴンファング ~竜者ドランと時の迷宮~』(ドラファン)を運営するトイディア。このトイディアが、2016年9月15日から始まった東京ゲームショウ2016に参加。そこでは、Oculus Riftを使用した同社初のVRゲーム『ドラゴン アーチャー(仮)』を出展した。
ここまでは通常のニュースに過ぎないが、このゲーム、なんと開発機材が届いてから1ヵ月で製作されたという。「1ヵ月で製作されたVRゲームって!?」 VRゲームはすぐに試遊の列が長くなりがち。編集者のひとりが、開場と同時にトイディアのブースに行ってみた。
遊ぶ人まで絵になるゲーム
本作は、VR空間に浮かぶ足場の上から、大量に飛来するドラゴンを弓を使って撃ち落とすシューティングゲームだ。展示されていたバージョンではプレイヤーの移動などはなかった。360度自由な方向を見回せ、好きな場所を撃つことができるガンシューティングを想像してもらえるとわかりやすいだろう。
出現するドラゴンの数がとにかく多く、上下左右どこを見てもこちらに迫り来るドラゴンだらけというビジュアルはファンタジー好きならかなりワクワクさせられる。
両手に持ったオキュラスリフトのコントローラーを弓に見立てて射撃をするのも特徴のひとつ。
弓本体となる左手のコントローラーで狙いをつけ、右手のコントローラーを後ろに引くことで矢を引き絞って放つ。弓は左手のコントローラーを向けた方向に向くため、FPSのように正面だけでなく、視点の側面に向けて画面の外側にいるドラゴンを勘頼りに撃つ、といったVRならではの操作方法も可能。
迫ってくるドラゴンを撃ち落としたり、ドラゴンが吹いてくる炎を弓矢で相殺したりとプレイ中はかなり忙しい。とはいえ、今回展示されたバージョンではゲームオーバーなどはないため、ダメージを受けることを気にせず、ドラゴンたちとの戦闘が楽しめた。
ある程度ドラゴンを倒すと、ボス的な存在の巨大なドラゴンが出現。このドラゴンは大量の炎を吐きながらプレイヤーに迫り、上空を通りすぎていくのだが、空を悠々と飛ぶ巨大なドラゴンを見上げるという経験は思った以上にインパクトがありドキドキさせられた。
ゲームショウでの試遊時間はおよそ1~2分ほどだが、360度に迫る敵を見回しながら戦うというVRならではの没入感と、大量のドラゴンが迫ってくるビジュアルに引き込まれ夢中になって遊んだ。
きっかけはSNSでの交流
今回『ドラゴン アーチャー(仮)』を制作することになったのは、トイディアの社長・松田崇志氏がSNSで繋がりのあったOculus Riftの開発者から、開発キットを送ってもらったことが発端だという。
開発キットを受け取ってから10日ほどでVRヘッドセットの没入感の研究を進め、わずか1ヵ月で今回のゲームショウに展示するバージョンを作り上げたとのこと。ブースで来場者の楽しむ様子を見ていた代表取締役の松田氏に、「なぜこんなに短期間で作り上げたものをゲームショウに出展したのか」と聞いてみると、
「今回のゲームショウで、ユーザーさんにも触っていただいて、いろんなフィードバックをいただきたかったんですよね。できれば、これからモンスターを追加したり、部位破壊といった遊びの幅を広げるギミックを実装したりして、まずはOculus Riftでの製品化を目指していければと思います」(松田)とのこと。
フィードバックが欲しいという話はそうであれ、このVRゲームならではの盛り上がりポイントをたった1ヵ月でキッチリと生み出したトイディアのセンスは光る。とにかく圧巻だったのは巨大なドラゴンがこちらの上空を通過したときの印象だ。頭上のドラゴンを見上げながら、下から弓を撃つ自分(まさに天を向いて矢を放つポーズをとることになる)に感じた、「正直いまのおれ、ちょっとかっこいいんじゃない!」という気分はいままでに体験したVRコンテンツの中でも格別だった。
New ニンテンドー3DS初のUnity対応ゲームも制作中
同ブースでは、この秋に配信されるNewニンテンドー3DS版『ドラゴンファング ~竜者ドランと時の迷宮~』の試遊バージョンも展示されていた。昨年のゲームショウでNewニンテンドー3DS版が発表され、その後長らく続報がなかったが、ついに実機で遊べるバージョンが公開されたわけだ。
同作品のスマホ版は片手で遊べる本格ローグライクRPGということがウリだが、Newニンテンドー3DS版では十字ボタンと複数のボタンを使った操作や、上画面でゲームが進行し、下画面でメニューなどをタッチで操作できるニンテンドー3DS向けの操作方法に最適化されている。
ホーム画面やダンジョンの探索中は下画面のタッチで操作可能なので、初心者にもわかりやすく、スマホ版を遊んでいた人もすぐに感覚をつかめるだろう。
気になるゲーム内容も最新版の『Ver.3』にまで対応し、主人公・ドランの武器装備などのシステムも実装されている。スマホ版をプレイしている編集者としては、ダンジョンに入るときの妖精さんのワープ魔法もちゃんとあったのがうれしかった。
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